マイナー・マイナー

隠れた名作の発掘が生きがい。

その決意は新世紀エヴァンゲリオンが導いた


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契機

小学生も後半の頃,僕は映画にはまっていた.


映画が好きで,テレビで放送される映画を新聞でチェックをするのが日課な小学生だった.21時から放送予定の映画が野球の延長でずらされると怒ってたりしてた.映画館で公開される映画のチェックも欠かさずしており,観たい映画があると親を説得して映画館に連れて行ってもらうという小学生だった.


ある日,何を観たかは忘れてしまったけど,何かを観るために映画館に行った.映画館の中には,次に公開予定の映画のポスターが貼ってあり,待ち時間や映画の終了後は欠かさずチェックするのが習慣だった.当然の如く,その時もポスターをチェックしていた.そして,ふとあるポスターに目がとまった.そのポスターこそ新世紀エヴァンゲリオンの劇場版『DEATH & REBIRTH シト新生』だった.これが僕と新世紀エヴァンゲリオンとの邂逅であった.


そのポスターに描かれていたのは,サキエルと闘ったあとに初号機が歩いてくる場面と,脳裏に響く文字の羅列だった.ぱっと見て,「これはなんかすごそう」というのが第一印象だった.その後,そのポスターの強烈さが頭から離れず,何かが胸中で渦巻き始めていた.もやもやとした感情はやがていろいろな妄想を生み,「これは観に行くべきだ」という結論に達した.これが契機だった.  


覚醒

エヴァのポスターと出会った日から数日が経ち,『DEATH & REBIRTH シト新生』が公開された.


その当時は新世紀エヴァンゲリオンがテレビで放映されていたことなど知らなかった.ましてやこの映画がテレビ版を再構成したものだとは知らなかった.だから,この映画の内容はなんかロボットがただ闘うってくらいかなって思ってた.なんか敵とかを倒して人類が救われて終わりかなって思ってた.


感想:
何これーっ


まじでなんだこれって感じだった.ストーリィは断片的にしか掴めないし,1回観ただけじゃ内容など到底分からない.けれど,よく分からないながらもとてつもなく刺激的で衝撃的だった.言葉で捉えることのできない感情がごった返していた.今思えばこれが鬱という症状なのかもしれなかった.鬱がごった返していた.


そんな感じで小学生ながら精神状態がかなり不安定となっていた.生まれて初めて映画館に二度足を運んだ.そして,二度観ても内容が分からなかった.鬱な心情は入り組んで迷走し,混乱を極めていった.エヴァの刺激的なシーンを思い出しては感傷にひたるというサイクルをくり返していた.この時点で人生の方向性の大半が決定されたと後に語る.


日々

『DEATH & REBIRTH シト新生』と出会ってから日常が変わった.


新世紀エヴァンゲリオンが頭から離れず,日常生活とそれに追従するはずの思考とが乖離している感覚だった.エヴァの情報を集めたかったけど,田舎の小学生にはそんな情報収集能力がなかった.だから,シト新生を観に行った時に買ったパンフレットを何度も眺めてたりしていた.内容が難しくてあんまり理解はできなかったけれど.


新世紀エヴァンゲリオンに触れた”という形が欲しかった.とにかくエヴァのグッズが欲しかった.ちょうどよく行く雑貨屋にエヴァのプラモデルが置いてあったので即買いした.そして,不器用ながらも初号機を完成させて悦に入っていた.また,プラモデルの箱の中に入っていた取扱い説明書は何度も読み返していた.


あと,サウンドトラックも買った.曲を聴くたびに劇場版の内容が想起されて,鬱がごった返していた.とくにパッヘルベルのカノンが好きで何度も聴いていた.アニメとクラシックの組み合わせがその当時のアニメイメージを覆した.これは大人なアニメだと感じ,大人な世界が深いということを悟った.


そんな感じで,もっと新世紀エヴァンゲリオンについて知りたい日々を過ごしていた.けれど,なかなか情報が得られないためにモヤモヤとした感情が入り乱れに入り乱れたいた.そんなところに吉報が訪れた.それは,『Air/まごころを、君に』の公開予告だった.『Air/まごころを、君に』の公開予告だったのだ.


衝撃

Air/まごころを、君に』の公開初日,僕は映画館へと足を運んだ.


感想:
な,何これーっ


衝撃的すぎて,もう衝撃的で衝撃的という大きなまとまりでしか表せないくらい衝撃的でいろんな思考や感情が衝撃的に襲ってきた.今まで観てきたアニメから予測されそうな起承転結が全く当てはまらない内容は,もはや僕の脳で許容できる範囲を大幅に超え,インパクトの強い部分だけが自動で抽出されて精神面に切り込んできた.これはやばかった.やばすぎた.


そして,もちろんのごとく鬱.かなり鬱.もう一度,映画館に足を運んだけれど,テレビシリーズを観ていなかった僕にとって到底内容など分かるはずもなく,ただただ内容が深すぎて処理できないでいた.唯一の結論は「エヴァがやばい」という漠然とした衝撃があるということだけだった.


そんな感じでまたモヤモヤとした日々がしばらく続く.このモヤモヤした感覚を解決することこそがおそらく一生涯の課題だと悟った.


僕は,歩んでいくと決めた

その後,僕はテレビシリーズを観た.そして,『DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に』を観た.


モヤモヤとした感覚は時間とともに薄れていったが,核心となる部分は消えなかった.鬱が残留した部分はもどかしいけれども心地よい状態を作り出していた.そして,知識が増えるたびにその残留した部分の輪郭がうっすらと見え,そこに感動があると気づいた.僕は,この感動の解を知りたいと心から思った.


僕は感動の解を追及していくことが人生の意義だと感じた.そして,感動の解の追及を原則の中心として生きていこうと決めている.


その決意は新世紀エヴァンゲリオンが導いた.
僕は,感動の解へと向かって,歩んでいくと決めた.


このサイトはそんな感動の解を求めて彷徨うサイトです.最初だけとてもまじめに書きました.