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隠れた名作の発掘が生きがい。

微睡みのセフィロト


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冲方丁氏の超次元SF 。感覚者と感応者のいる世界。


微睡みのセフィロト

微睡みのセフィロト


マルドゥック・スクランブルマルドゥック・ヴェロシティを先に読んだ経緯もあって、どうしてもそれらの作品と比較しがちに微睡みのセフィロトを読み進めてしまいました。実際、登場人物の表面はそれらの作品と似かよっていると感じます。しかし、中身は濃厚でアナザーな一作でした。


考たことは、精神的な傷は、時に委ねて薄めることで回復するのではなく、精神の成長によって赦せるようになることで回復するのではないかということです。傷の要因に向き合い、認め、信頼することで別の感覚や視点が得られ、傷が自己の一部として包含できた状態が回復だと思います。本作品ではその過程が強く体現されてているように感じました。


超能力バトルは、超次元と言うこともあってもはやイメージすることが困難ですが、文章から感じとれる何かがたまらなくて面白いです。考えるよりも感じること、それが超次元への扉!