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意識的な何かが変調して変革する青春小説『僕のエア』


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『僕のエア』は滝本竜彦さんの青春小説です。なんというか”現実”を直視させられるような内容で、夢と妄想をパッキバキに壊されてダウンな感じになりました。


僕のエア (文春文庫)

僕のエア (文春文庫)


もうここには誰もいなかった。残されているのは、俺の人生だけだった。逃げたくても逃げられない大迫力の人生の苦悩が俺の眼前に広がっていた。確かにここはもう砂漠ではなかった。色鮮やかな地獄だった。


「AIR」という言葉はなんて素敵な響きだろうか。思えばエヴァンゲリオン劇場版だったり、Keyの泣きゲーだったり、「AIR」という単語が含まれる作品に出逢うたびに意識的な何かが変調して変革されてきました。


そして、『僕のエア』を読んだ後の余韻もそんな感じでした。私が意識して見ている世界が崩落して、絶望的な感覚が到来して、それでもやっぱりここは現実だと再認識されて、私の意識的な何かが再度、変調して変革された気分になりました。『僕のエア』はそんなある種の悟りに似た何かが得られるような小説でした。


【エア関連】
その決意は新世紀エヴァンゲリオンが導いた
夏といえば『AIR』です。旅したいです。