読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

発熱するマイナー魂

隠れた名作の発掘が生きがい。サブカル作品の感想とIT技術メモ中心のブログです。

217年先に情報を伝えるという無理指令『コロロギ岳から木星トロヤへ 』

小説

スポンサードリンク

『コロロギ岳から木星トロヤへ 』は小川一水さんの時間系SF小説です。 2014年のコロロギ岳と2231年の木星前方トロヤ群をつなぐ物語。2世紀間でなされるコミュニケーションに胸が熱くなる。


コロロギ岳から木星トロヤへ (ハヤカワ文庫 JA オ 6-20)

コロロギ岳から木星トロヤへ (ハヤカワ文庫 JA オ 6-20)


「217年先に伝えろって、こういうことか。この、リュセージとワランキに、私たちが彼らを助けたがっていること、協力しなければお互いが滅ぶことを、教えなきゃいけないんだ。」


「2世紀先の特定の場所、特定の人に情報を伝える」というミッションを与えられたとき、まず頭に浮かぶのが「無理」という言葉です。この小説はそんな無理さに挑戦するのですが、その展開が面白いです。


時間をテーマにした作品に感じることですが、過去あるいは未来からの情報が予想の範疇を超える手段で伝えられたとき、胸が熱くなります。世紀を超えて伝達されるであろうすごいものに情報を残したり、バタフライエフェクトを利用して特定の人にしか分からない影響を与えたりなど、送信と受信の手段がすごくて素敵です。


時間的に、空間的に、離れれば離れるほど情報の伝達は困難になります。しかし、その情報が伝達されたのであれば。。。そんなロマンを感じた小説でした。


関連:
『第六大陸』月面開発を行う民間企業が熱すぎる