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戦い続けることが最良なのだろうか。。ループもの小説『All You Need is Kill』


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All You Need is Kill』は桜坂洋著のSF小説です。ギタイと呼ばれる敵と戦う一日が何度も繰り返すというループものな作品です。ダグ・リーマン監督、トム・クルーズ主演でハリウッド映画化もされていて、『Edge of Tomorrow』というタイトルで2014年に公開予定だそうです。


All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)


「やりたいことと天賦の才を与えられたこと。そのふたつが別かれてしまったとき、どちらの道を選ぶのが本人にとって一番幸せなのだろうか?」


自分にしかできないことがあって、そしてそれは社会にとって必要なことであって、けれどもそれは自分のやりたいことではなかったとき、それをやらなければいけないのだろうか。そんな疑問を感じさせるような作品でした。


使命とやりたいこととの方向が一致するのであれば幸せなことだと思いますが、そうでなければ自分と世界とがうまく繋がらずに孤独で不幸せな状況となってしまう。だから、たぶん、人は使命とやりたいことをうまく紐づけた最良点を模索するのだと思います。


最良点は、使命に添うようなやりたい事を見つける、あるいは、やりたいことの中に使命を見つける、を繰り返して具体化していくものだと思います。そして、そんな繰り返しによって最良点が輪郭を持っていく過程がすごく好きです。『All You Need is Kill』はまさにそんな作品でした。