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隠れた名作の発掘が生きがい。

絶望的なほどの大きなシステムにどう挑もうか『モダンタイムス』


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『モダンタイムス』は 伊坂幸太郎著作のミステリー小説です。特定のキーワードを検索したら酷い目にあいます。キャッチコピーは「検索から監視が始まる」


モダンタイムス(上) (講談社文庫)

モダンタイムス(上) (講談社文庫)


自分たちのはめ込まれているシステムが複雑化して、さらにその効果が巨大になると、人からは全体を想像する力が見事に消える


自分が大きなシステムの一部であることをなんとなくはわかっているけれど、そのシステムの全貌は理解していない。自分が知ることのできる範囲は限られていて、その範囲でできることを「自分の仕事」として割り切っている。そんな仕組みの真理に挑みます。


大きな仕組みに抵抗するとき、そのシステムの抑止力が働いて、たいていはうまくいかない。せめて自分達にできることは、システムの正義を自分で判断し、自分が影響を及ぼせる範囲で行動するしかないのだろうと思いました。個人は社会の歯車であることを再認識させられるとともに、歯車なりの足掻き方を教示されるような作品でした。