発熱するマイナー魂

隠れた名作の発掘が生きがい。サブカル作品の感想とIT技術メモ中心のブログです。

たった一言の収束力がすごかった『十角館の殺人』


スポンサードリンク

十角館の殺人』は綾辻行人著作の館もののミステリ小説です。本作を読む前に知っていた情報は、たった一言の威力がすごいということでした。たった一言で、物語に渦巻いていた謎の全貌が見えてくる。その伏線回収がスカッとしてすごかったっす。


重要なのは筋書きではない、枠組なのだ。その中で、時々の状況に応じて常に最適の対処が可能であるような、柔軟な枠組。

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)


調べてみると、この小説は「新本格派ミステリ」というジャンルの先駆けとなるような存在のようです。ジャンルの定義が曖昧なところもあるのですが、本格派ミステリは謎を解決する描写に重みを置いているイメージで、それに対して新本格派ミステリは心理描写にも重みを置いているイメージでしょうか。


そして、綾辻行人さんはこの小説を1987年に出版されたのですが、綾辻行人以降にデビューした本格派思考のミステリを書く作家(森博嗣清涼院流水西尾維新など)が新本格ミステリ作家とされているようです。90年代後半に出版された小説を主に読んでいる身としては、『十角館の殺人』は確かに古風な感じはしますが、とても読みやすい小説にでした。なんというか、金田一少年の事件簿を思い出しました。