ついに最終巻が発売された『よるくも』。漆原ミチ先生の描く世界観が素晴らしすぎて、かなり大好きな漫画の1つで、間違いなく傑作の漫画がついに最終回を迎えて、「始まりがあれば終わりもある」ということを実感してジーンとなっています。この作品が世に出版されたことに感激です。IKKIに感謝。
1巻〜3巻のレビューはこちら:
残酷で仄暗い世界が超魅力的 『よるくも』 - マイナー・マイナー
機能不全の愛が素敵。よるくも3巻で発熱する。 - マイナー・マイナー
第四巻
- 作者: 漆原ミチ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/07/30
- メディア: コミック
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人間て死ぬんだね。この人だけはって、思ってた。
「同じ人はいない」という現実を突きつけられて、必死に救おうとしたり、必死に探そうとしたりと奔走する巻です。暗黒な街で壊れようと加速する人間関係に必死で抗う姿に胸を打たれます。
死を身近に感じたときに、何かしらの考え方や価値観が変わり、場合によっては狂ってしまう。その過程の描写がすごくうまいです。自分が生きていける居場所、その場所を守るためなら人は今までの考え方や価値観を捨てることもできるのだろう。
第五巻
- 作者: 漆原ミチ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/03/28
- メディア: コミック
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昔、私に聞いたでしょ?"人間を喰った豚は人間か"って。
何かしらの犠牲を伴って、そして生きることを再発見して、物語は終焉します。全巻を通して見ても、落ち着くべき所に落ち着いたような、綺麗に収まった作品だと思います。そして、表紙がとても美しい!
生きるためには食べていかなければいけない。普段は思慮することもないそんな「食」という摂理を考えさせられます。生きることは他の何かの犠牲の上に成り立っていることをふと思い出し、それが継続していることに感銘を覚える、そんな作品でした。