思春期とか青春な学生時代とかに出会う悩みには”特別”と感じる重さみたいなものがあると思います。その特別な悩みに対しては無意識に劇的な解決を望んだりするものだろうと思います。
そんな特別な悩みと劇的な解決が用意された不可思議な世界を楽しめる漫画が『橙は、半透明に二度寝する』でした。悩みを解決しようと奔走するけれど、気がつけば間違った方向に進んでしまって、けれども納得のいく結論に至ったりする。そんな非日常が面白いです。
橙は、半透明に二度寝する(1) (週刊少年マガジンコミックス)
- 作者: 阿部洋一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/06/09
- メディア: Kindle版
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首の皮一枚を超えた日
首だけちぎって連れてってよ。
生首と一緒に行動する話。生首をビニール袋に入れて歩きまわる光景とか一歩間違えれば猟奇的です。けれど、ノスタルジックな何かが絵に投影されているためか、「あぁ、なんかいいなー」っていう感動が表れる作品でした。
爆死病
まあ簡単に説明すると、ドキドキし過ぎると爆死しちゃうって病気だね。
そんな爆死病にかかった少女の話。死ぬと分かっていても突撃する、そんな選択を採用できるほどの溢れるパワーに青春を感じる内容です。直球なドキドキ感に「あぁ、なんかいいなー」っていう素敵さを感じる作品でした。
イカスミ滴る同級生
ある日この町の船溜まりが、イカスミのようなものでまっ黒になっていた
スルメを食むときの効果音がいいなーって感じる話。身近なものが未知であることを発見して感動したりするけれど、自身の周りは特に変わったりはしない。知らなくても回っている世界の何かに素敵さを感じる作品でした。
おおきいおんなのこ
はあ…なんか…「怪異」的なことおきないかなあ
非日常な出来事を求めるような話。非日常な出来事は日常のいたるところで起こっているけれど、それに気づかない、あるいは日常の一部としてしまっているだけではないか、ということを感じる作品でした。
夏の終わり
言葉で言ってわからない奴は暴力でわからせるしかない
亡き者にされたカブトムシの復讐をする話。激情に任せた復讐劇ではあるけれど、どこか爽快感がある仕上がりでした。人を怒らせる沸点は様々にあって、その沸点は分かり合えないものなのだろうなと思いました。
あいにいくよ
何言っているの?あなた達六つ子でしょ?
柏木兄弟の寝不足の原因を探ったら何かを作ってた話。想像を超えるものを目の当たりにしたとき、信じられるもののために頑張れる気力みたいなものが得られたりして、その気力に綺麗なものを感じます。
私を信じて
これは一見するとただのサザエだけど この町を侵略しにきたエイリアンなの
サザエをたくさん獲ったらおまわりさんの職務質問にあった話。大人に近づくにつれて信じられないような話を信じることが出来なくなる傾向にあると思います。時には信じてみると楽しい結果になる、そんな作品でした。