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【今際の国のアリス】1/45の確率って本当?


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今、熱い漫画のひとつ『今際の国のアリス』。Kindleで17巻が発売されたので、さっそく読み進めていたのですが、とある1コマに目が止まりました。

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あの2人になる確率ってーーーー1/45。


これ、「組み合わせの公式」で計算できると思うんだけど、その公式がぱっと出てこない。。気になったので調べました。



※以下、ネタバレ注意


場面は、ねくすとすてぇじのゲーム「はあとのくいいん」の挑戦者を決めるところです。ゲーム会場の前に集まった10人でじゃんけんをして、勝った2人を挑戦者にするという話になります。じゃんけんした結果、アリスとウサギが勝ち抜いたわけですが、その折にアンがつぶやいたのが「1/45」でした。

直感的な計算

じゃんけんでアリスとウサギの2人が勝ち抜くというケースを考えると、下記のような計算がぱっと浮かびます。

(1) 最初にアリスが勝つ確率は1/10
(2) 次にウサギが勝つ確率は、10人から1人減ったのが母数なので、1/(10-1) = 1/9
(1)と(2)が順番に起きる確率は(1/10)*(1/9) = 1/90
反対にウサギが勝ってアリスが勝つというケースもあるので、1/90+1/90=1/45

漫画では1回のじゃんけんで決着がついていますが、結果として2人勝ち抜くということに変わりないので、1/45は合っていそうな気がします。

「組み合わせの公式」で計算

異なるn個の中からr個を選ぶ組み合わせの数を求める式です。

_nC_r=\frac{n!}{(n-r)!r!}


例えば、A/B/C/Dの中から順番を考慮して2組ずつの選ぶ場合、全ケースは下記の通りです。

AB AC AD
BA BC BD
CA CB CD
DA DB DC


これは「順列の公式」で求めることができます。

_nP_r=\frac{n!}{(n-r)!}
_4P_2=\frac{4!}{(4-2)!}=\frac{4\times3\times2\times1}{2\times1}=12


順番を考慮しない組み合わせを選ぶ場合は、順列の結果をr!で割ります。これが「組み合わせの公式」です。

_nC_r=\frac{_nP_r}{r!}=\frac{n!}{(n-r)!r!}
_4C_2=\frac{12}{2!}=6

AB AC AD
- BC BD
- - CD
- - -


10人の中から2人を選ぶ組み合わせの数は、

_{10}C_2=\frac{10!}{(10-2)!2!}=45

となります。45組の中からアリスとウサギという1組のペアが選ばれたので、1/45の確率で選ばれたのは確からしいです!


そんなわけで、高校数学の復習の記事でした。


参考:
組み合わせの公式~計算方法と練習問題~:ビジュアル数学(数学A:場合の数)