知能を持っているならば、少なからず悩みもあったりします。『Latin 高畠エナガ短編集1』では、アンドロイド、妖精、猫又、悪魔が登場し、各々が特有の悩みを持っています。
アンドロイドは消された記憶の真実を知りたがったり、
妖精は力のなさを嘆いていたり、
猫又は人間にできることができなかったり、
悪魔は黒い羽を忌み嫌っていたり、
悩みは多種多様にあります。
悩める生命に救いの手が差し伸べられる、そんなベタな展開が多いけれど、そこにはじんわりと心に響くような感動がありました。悩みが解決されたときに見せる安堵の笑顔、その絵が心に深く残る漫画です。
Latin 高畠エナガ短編集 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 高畠エナガ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/09/01
- メディア: Kindle版
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Latin [ラテン]
捨てられたアンドロイドはね 記憶を消されるの…
記憶を失くしたアンドロイド「ラテン」と一緒に暮らすことになった話です。記憶は無くしても、誰かに仕えていたという記録(写真)が残っていて、その事実が「捨てられた」という悲しさを引き立てています。不覚にも涙ぐみましたよ。えぇ。
雪原のネストーレ
ネストーレは自分で考えて動くロボットなんだよ!
機械の巨人「ネストーレ」を動かそうとする亜人と妖精の話です。かつて人間と妖精は自然崇拝主義者と敵対していた、という設定にワクワクします。人間が作ったロボットには秘密があって、窮地に追い込まれたとき、その秘密が明らかになる、そんな熱い話です。
猫又荘の食卓
猫又荘 人の世界に溶け込もうとする猫たちの住む場所
人間が、猫又達の住む荘にお世話になる話です。猫はなぜ人間の姿になって、人間のような生活をするのだろうか。それはたぶん、何気ないことでも楽しいと思える好奇心なのだろうなと思います。さりげなく猫は人間よりも寿命が短いという事実を織り交ぜるのはずるいですよ。。
Reversi [リバーシ]
真っ白な羽を見ていると 心の奥がざわついて嫌になる
人外の通う学校に天使が転校してきた話です。黒い羽を持った悪魔が、天使の白い羽を妬みますが、その妬む心に罪悪感を感じる内容です。容姿は変えられないけれど、心の在り方は変えられる。心の在り方が変われば、いつか容姿の劣等感はなくなるかもしれない。
Latin --2 years later--
Latinの(うらやましい)2年後の話です。良い後味を残していきますね。