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もしかして、数十年後には不老不死?


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不老不死はどうやってなるのだろうか。ある日突然、不老不死になる薬が開発されて、そしてその薬が富裕層から徐々に広まっていく、なんとなくそんなイメージを持っていました。


けれど、そのイメージとはまた異なったプロセスもあることを小説『フリーランチの時代』を読んで気付きました。その小説に収録されている短編「千歳の坂も」は不老不死を題材にした小説であり、そこには人々が不老不死になった過程が記されているのですが、その内容がとても現実味を帯びているのです。


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記事の内容は、特定の個人が死ななくなったことを知らせるものではなく、数年前から、平均余命が毎年一年ずつ延びるようになったということを取り上げたものだった。つまり、人が老いる速度を、医学による延命治療が追い抜いたのだ。


医療の発展によって徐々に寿命が伸びていき、その寿命の伸び率が老いの速度を超える。そうか、こういう考え方もありなのか!…と、ちょっと感動しましたけれど、同時にまだまだ実現は程遠いだろうなとも思いました。不老不死の時代がそんなに早く来るわけがない。


けれど、その考え方も変わります。『インベスターZ』の8巻を読んで。


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僕の研究によると……人間は20年後 死ななくなるのです


何言っているのこの人、と思いながらさらに読み進めると、具体的な寿命について言及が目にとまります。なんでも、江戸時代の日本人の平均寿命は40歳で、現代の平均寿命は80歳。200年の間に2倍。ということは、今から200年後には160歳まで生きられる!


そんなざっくりとした試算ですが、なかなかの現実感があります。気になったので直近50年ほどの平均寿命を調べてみると、下記のようになっていました。*1

年代 平均寿命(男) 平均寿命(女)
1960 65.32 70.19
1970 69.31 74.66
1980 73.35 78.76
1990 75.92 81.90
2000 77.72 84.60
2010 79.55 86.30


比例して増加していそうなので、それらしい1次式を求めると(1次関数のモデルで最小二乗法を適用して導出すると)、x年後の平均寿命f(x)は下記のように表されそうです。


平均寿命(男) : f(x) = 0.282714x - 487.66
平均寿命(女) : f(x) = 0.324314x - 564.36


これをもとに将来の平均寿命を予測すると下記のようになりました。200年後の平均寿命は150歳前後な予感がします。

年代 平均寿命(男) 平均寿命(女)
2020 83.42 90.75
2050 91.90 100.48
2100 106.04 116.70
2200 134.31 149.13


係数は約0.3なので、だいたい1年後に生まれた人は0.3歳平均寿命が増加すると考えられそうです。10年後に生まれた人は平均寿命が3歳増加するという予測です。けれど、係数は1未満なので、いずれは寿命を迎えます。


しかし、技術の発展がめまぐるしいことを考えると、その係数は徐々に大きくなっていく可能性が大きい予感がします。5年後には係数が0.4、10年後には係数が0.5といったように、徐々に平均寿命が伸びていくといった可能性です。そんな係数の増加を加味すると、20年後には平均寿命が200歳以上とかになっているのかもしれないです。


そんなわけで、人類はゆるやかに不老不死の道を歩んでいます。50年後に生まれる人は、もう不老不死な人間ではなかろうか。

インベスターZ(8)

インベスターZ(8)

*1:厚生労働省平成26年簡易生命表から「0歳児の平均余命=平均寿命」を抜粋