世界には嘘つきな人が多いです。
嘘つきという言葉を聞くと詐欺師のイメージがぱっと思い浮かぶのですが、よくよく考えたらインターネット上にあふれている記事とか、履歴書に書く内容とか、そんな情報にも多かれ少なかれ嘘が紛れ込んでいて、実は嘘つきが身近にもいることに気づきます。
そんな嘘つきだらけの世界を表現したような映画が岩井俊二監督の映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』でした。もうね、映像美が素敵なのはもちろんのこと、孤独な人にとってはとても共鳴するような内容で、熱いものが込み上げてくること間違いなしですよ。
※以下ネタバレ注意
嘘のあふれている世界で「嘘のないもの」はなんだろうか?この映画はその「嘘のないもの」を気づかせてくれると思います。
他人の本性はなかなか分からないです。例えば探偵を雇うとか、お金を払うとか、そういった手段で本性に近づくことはできると思いますが、その手段は実感の伴わないものだと思います。もっとも有効な手段を考えると、それはすべてを失わせることなのだとふと思いました。
すべてを失うということは、自分の中に溜め込んでいた嘘がすべて吐き出されるということ。そこにはただ純粋さだけがあって、だからこそ眩しくて手に入れたいものなのだと思います。この映画はその眩しいものを観ることができる作品でした。
あと、「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」のシーンが素敵すぎました。このシーンまた観よう!
- 作者: 岩井俊二
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