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いくつ分かる?1900年代のSFネタがいっぱいの漫画『凹村戦争』


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もしSF映画の中の出来事が現実でも起きたなら、漫画『凹村戦争』はそんな妄想を具現化したような内容です。四方を高い山に囲まれたとある村「凹村」。そこにある日、物体エックスが降って来て、受験を後に控えた中学三年生が巻き込まれていきます。

偉大なる2人のウエルズに捧げる、ささやかな戦争と、やさしい終焉についての物語。


引用は内容紹介文の一部です。この2人のウエルズがぱっと思い浮かぶのであれば、この漫画はかなり楽しめると思います。


この漫画はまだレンタルビデオ店の媒体がVHSだった頃が舞台です。その頃と言えば、レンタルビデオで観た映画の情報が、世界を構成する重要な情報のように思えていました。映画の中で起きることは現実でも起こり得る、そんな確証のないことを信じていた気がします。


映画の中の出来事が現実でも起こって欲しい。もし起こったのなら、きっとその主人公は自分であって、世界のために戦っている。そんな妄想をよくしていましたが、現実に起きたのならきっと何の力も発揮しないままに終わっていくものだと思います。


映画の主人公にはなれない。けれども何か一歩前に進める予感する。『凹村戦争』はその一歩が素敵に感じた漫画です。


凹村戦争 (ハヤカワ文庫 JA ニ 2-1)

凹村戦争 (ハヤカワ文庫 JA ニ 2-1)


各話のタイトルや作中にはSFネタがたくさんあります。少し気になったので元ネタを調べられる限り調べました。


元ネタ一覧:

1 遊星から(より) - The Thing

元ネタはSFホラー映画の『遊星よりの物体X』と『遊星からの物体X』。『遊星よりの物体X』は1951年公開、それをリメイクした『遊星からの物体X』は1982年公開です。

2 ツァラトゥストラはかく語りき - The Sentinel

元ネタはニーチェの著書の『ツァラトゥストラはかく語りき』、もしくは同題名のリヒャルト・シュトラウス交響詩ツァラトゥストラはこう語った』等、いろんな訳し方がされている模様。

あれは確かキューブリックの映画。今よりも昔に作られた宇宙の旅の物語。

1968年公開のSF映画『2001年宇宙の旅』。黒い石版のようなもの「モノリス」がサルに知識を与えるようなシーンから始まります。BGMの「ダーン、ダーン、ダダーン」は『ツァラトゥストラはかく語りき』です。

学校新聞「ノストラダムスはかく語りき」

ノストラダムスは「1999年に恐怖の大王がやってきて人類滅びるよ」という予言を書いたとして騒がれた人。予言書は結局、難解な文章を曲解しすぎたというオチ。


3 スペースインベーダー - Space Invaders

タイトルは1978年に発売されたアーケードゲームです。画面上方から現れる敵(インベーダー)を撃ち落とすシューティングゲーム

宇宙戦争

H・G・ウェルズが1898年に発表したSF小説。3本足の宇宙兵器が印象に残る作品。1953年に映画化。


4 No.6 - The Prisoner

元ネタは1967年にイギリスで製作された連続テレビドラマ『プリズナーNo.6』。とある「村」に「プリズナー」として拉致された主人公が抗う話。

"勝手に逃げろ・人生"というわけにはいかないんだな。

1979年、ジャン=リュック・ゴダール監督の映画『勝手に逃げろ/人生』。


5 怒りの脱出 - Adrian

1985年公開のシルベスター・スタローン主演の映画『ランボー/怒りの脱出』。ひとりで大多数の敵兵を倒していく話です。


6 宇宙は見えるところまでしかない - Signs

タイトルのネタはおそらく松尾スズキ著の『ファンキー!―宇宙は見える所までしかない』?

未知との遭遇

1977年、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『未知との遭遇』。英題は「Close Encounters of the Third Kind」で、第三種接近遭遇の意味。

バットでぼこぼこにぶんなぐる話

2002年のM・ナイト・シャマラン監督の映画「サイン」。オチがすごい話。


7 スーパーフラット - Superflat

おそらくは、下記のこと。(Wikipediaより)

スーパーフラット (Superflat) とは漫画やアニメから大きな影響を受けたアーティスト、村上隆によって展開される現代美術の芸術運動および概念。また、村上によって企画され、2000-01年に開催された展覧会。

8 受験≒戦争 - Burst City

受験戦争に何か元ネタあるのかな?

爆裂都市

1982年に公開された日本映画『爆裂都市 BURST CITY』。ロッカーな映画です。


9 エスケープ・フロム・L.A. - Escape from L.A.

1996年公開のアメリカのSF映画『エスケープ・フロム・L.A.』。眼帯のカート・ラッセルに男を感じる映画です。

Welcome to the Desert of the Real !

1999年のSFアクション映画『マトリックス』で、モーフィアスがネオに現実を見せるシーンで言ったセリフ。


10 すべてがあるべきところにある - Everything in Its Right Place

イギリスのロックバンドであるレディオヘッド(Radiohead)の曲「Everything in Its Right Place」。2001年公開のトム・クルース主演の映画『バニラ・スカイ』で流れた曲です。


11 ウォー・フィーバー - War Fever

SF作家J・G・バラードの小説『War Fever』。邦題は『第三次世界大戦秘史』。1990年に初出。


12 凹村戦争 - The War of the Worlds

サブタイトルの「The War of the Worlds」はH・G・ウェルズ宇宙戦争の英題。そして凹村戦争の凹村はおそらくオーソン・ウェルズのオーソンからとっている。


13 都市と★ - The Universal

SF作家アーサー・C・クラークの小説『都市と星』。1956年出版。