マイナー・マイナー

隠れた名作の発掘が生きがい。

『青の母』毒を薬にする過程に目を背けたくなります


スポンサードリンク

日本にはさまざまな因習がありますが、中には怖いものもあったりします。


漫画『青の母』は、日本の因習の中でとりわけ怖く、そして不快なものに焦点をあてたホラーファンタジーのように思いました。人形、呪い、蟲、、、それらが出てきてイェアアアアってなります。


人形を例にとると、まぁ自分と同じ姿をした人形が出てきますよね。


f:id:yosinoo:20160924190722p:plain

この後、この人形がたいへんなことになります。


綺麗な絵のため、グロい描写はないだろうと思っていましたが、まぁ、ありました。なんというか、精神とか倫理的な方向にきついものがありました。この漫画は「毒」がひとつのキーワードになっているのですが、その「毒」にあてられた女性の姿にイェアアアアってなりました。


日本の因習にもとづくような怖さって、ずっと尾を引くような粘っこさがありますよね。いくら振り切ろうとしても綺麗には振りきれない、そんな呪いみたいな描写がずっと頭に残ります。。



病気や怪我は青の母が治してくれるんだよ!


どんな病気や怪我にも効く万能薬を作ることができる。けれどその万能薬を作るには、ある代償が必要となる。その代償を支払うことができるだろうか?


ある毒を中和する薬を作るためには、その毒を引き受ける何かが必要となる。『青の母』は、その毒を引き受けているものに焦点を当て、そこから見えてくる人間の恐ろしさを表現したような漫画のように思いました。綺麗事だけでは生活していけない、そんな因習を見学するような漫画でした。


怖さも良かったですが、設定がよく練られている点も良かったです。「青の母」と「終わる」の意味が分かった時は、いいねボタンがあったら押していたと思います。ホラーではなく、ホラーファンタジーですね。


ただ、最終回は唐突に終わった感があり、そこは少し残念でした。後日、完結編が出るらしいので、その出版を楽しみに待ちます。