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『百舌谷さん逆上する』ツンデレの裏に隠された感動的な何か


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ツンデレなヒロイン(百舌谷さん)に振り回される人々を描いた漫画、それが『百舌谷さん逆上する』です。


この漫画で言うツンデレとは「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」のことで、誰かと仲良くしたいとか思った時に普通の人とは逆に攻撃的な言動や行動をとってしまう症状のこととしています。この設定がすごいです。


一般的なツンデレというと、最初は敵意(ツン)を持っていてそれがあるきっかけで好意(デレ)に転じる属性を想像します。けれど、この漫画でいうツンデレは、好意(デレ)が先にあってそれを隠すために敵意(ツン)を向ける症状です。


この独特な症状に葛藤する内容が、一般的なツンデレ作品とは違った味わいを出していて面白かったです。ツンの奥にあるデレに気付いた時、なんだかよく分からない感動に満たされます。普段はコメディな展開だけど、シリアスな展開で泣かされる、そんな不思議な内容です。



ちゃんとあるのよ ゴミクズにはゴミクズなりのふさわしい生き方が


ツンデレな話になんだかよく分からない感動もしますが、歯に衣着せぬようなツンな言い回しにもなんか感動します。心をわしづかみにされます。


例えば「思い出のリセットちゃん」という話で、葛原未来(くずはらみく)という女性が登場し、あるきっかけで死にたくなります。それを止めようと百舌谷さんが言った言葉が上の言葉です。この言葉の続きが熱かったです。


自分のことを卑下しがちな人は、自分の存在が社会に不要と勝手に決めつけてしまいがちです。けれども、たとえ自分が最低な人間であったとしても、その社会に対して何かしらの抵抗をすることはできる。そんな内容の励ましの言葉が胸が熱くなりました。


百舌谷さん逆上する』は自分のことをゴミクズだと思っている人がツンデレに救われる漫画のように思います。自分が嫌になった時、この漫画をまた読み返そう!