心理学を生活の中で応用している人、かっこいい!
心理学を使って高校生活をエンジョイしようとする漫画『サイコろまんちか』が面白いです。ヒロインの「伊東」が幼なじみの「阿部」を誘って心理学研究部を立ち上げてなんやかんやする青春コメディです。
基本的には1話完結です。各話のタイトルは心理学用語になっていて、それをテーマにした話が展開されます。例えば「確証バイアス」や「ツァイガルニク効果」がテーマになったりします。その効果を利用して伊東は阿部を射止めようとします。まぁ、なかなか成就しないんですが、その不憫さが逆に良いですよ!
ギャグマンガとしても面白いのですが、心理学の入門書としてもかなり有用なのではないかと思います。「この心理学を応用したらこんな結末になる」を見ることができるので理解も早いです。
日常生活で使えそうな心理学がまとまっているので、手元に常に置いておきたい漫画ですね。
- 作者: 小出もと貴
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/08/08
- メディア: Kindle版
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以下はタイトル(心理学用語)とその解説メモです。いずれどこかで応用したい!※厳密な定義ではない注意
第1巻
CASE001 ハロー効果
人は見た目だけのイメージで、その人がどういった人かを決めつけてしまう効果のことです。人は見た目が全て、だからそのギャップをうまく利用すれば良い効果が得られそう。
CASE002 プライミング効果
あらかじめ何かを見聞きしておくと、その何かに関連する事柄が覚えやすくなったり、思い出しやすくなるといった効果です。何かを覚えたい場合、興味のあることを思い出す→覚えることを関連付ける、といったことが効果的。
CASE003 同調
自分の意見が多数の人の意見と違っていた場合、多数派に行動を合わせる傾向があること。「空気を読む」に近いのかな??場合によっては自分の意見を通すことも大切。アッシュの同調実験が有名です。
CASE004 サイコドラマ
与えられた役を即興で演じさせることで、自分の本心を表に出していくという心理療法の一つ。自分が気づかない内面を発見する手助けになりそう。
CASE005 空白補完効果
何かで隠されたものを見ると、脳はその隠された箇所を補完して完成図を予想するという効果。自信のない部分とかを自然にうまく隠せば、良い方向に捉えてくれるんじゃないかな。
CASE006 メラビアンの法則
人は言葉と態度のメッセージに矛盾があった場合、態度のメッセージに重きを置く法則。「楽しい」と言葉にしても態度が楽しそうでなければ、楽しくないように捉えられがち。信用させたいと思ったなら態度も気をつけないと。
CASE007 確証バイアス
仮説を検証する時、自分にとって都合の良い情報ばかりを集め、反証の情報を集めようとしない心理。自分=正義と思い込んでいるので、自分の持つ先入観をさらに洗練させるような心理のことかな?苦手を取り入れる勇気が大切。
CASE008 正の転移
過去に学習した経験が、次の学習の手助けになる現象。たくさんの経験が、きっと何かの問題解決に約立つ。うん、まぁ、そうですよね。
CASE009 自己不一致
理想の自分と現実の自分(周囲から見られている自分)の重なり合う部分が少ない状態。重なる部分が少ないと、現実と理想とのギャップに苦しみがちになる。自分は最底辺だとなかなか認められないですよね…
CASE010 ツァイガルニク効果
達成できなかったことより中断されたことの方が記憶に残りやすいという効果のこと。大切な会話を途中で終わらせるとか、いろいろ利用できそうです。難しそうですけど。
CASE000 傍観者効果
人は集団で行動すると(自分以外に傍観者がいると)、率先して行動を起こさなくなるような心理。「同調」と近い効果?見て見ぬ振りの心理ですかね。助けを求める場合は具体的な誰かを指名することが大切。
EXTRA CASE アンカリング効果
最初に提示された特徴や数字などの条件が強く印象に残り、その条件を物事の判断の基準にしてしまう効果。通販とかで最初は1万円だった商品が5千円になると安くなったと錯覚しがちになるようなこと。客観視が大切。
第2巻
CASE011 フット・イン・ザ・ドア
人は小さな要求を1度でも飲むと次の要求も飲みやすくなる(次の要求が断りにくくなる)、という心理を利用した要求手法。最初に大きな要求をして次に小さな本来の要求をする「ドア・イン・ザ・フェイス」という手法もある。
CASE012 バーナム効果
誰にでも当てはまるような一般的なことをそれっぽくいうと、自分に当てはまると感じてしまう心理。日常会話のつかみに利用できそう。
CASE013 心理テスト
テストに答えると、性格とか欲望とかがわかるやつ。バーナム効果な答えが用意されているテストもあるかも。お遊び。
CASE014 トップダウン処理
すでに持っている知識や記憶を先行させて文章やものを理解する方式。間違っていても良いから先に全体を見て、詳細は後で補正するというやり方。人の見たいように見る習性をどう活かせるだろうか。
CASE015 スタンフォード監獄実験
模型の監獄に看守役と囚人役に分けて配置するとどうなるか、を行なった実験。これを題材にした『es』という映画がありますが、衝撃的だったなぁ。。
CASE016 アンダーマイニング効果
内発的に動機付けられた行為(ただ楽しいからやっている行為)に対して報酬を与えるとやる気が低減する現象。子供が勉強している姿を見て「勉強を頑張っているから小遣いをあげる」というのはやる気を削ぐことに繋がりかねない。
CASE017 バランス理論
三者間(主体P、他者O、認知対象X)の好き/嫌いのバランスに関する理論。均衡状態と不均衡状態があり、人は不均衡状態を均衡状態に変えようと動く。
均衡状態
PはOを好き / Pは漫画が好き / Oは漫画が好き
PはOを嫌い / Pは漫画が嫌い / Oは漫画が好き
不均衡状態
PはOを嫌い / Pは漫画が好き / Oは漫画が好き
→PはOを好きになるように評価を変えたり、漫画を嫌いになるように動く。
CASE018 栄光浴
社会的評価のある他者とつながりを持っている時、そのつながりを自慢したくなる心理。「友達が有名人なんだよ〜」と言っちゃうやつ。自分は特に偉くないので、言葉を慎重に選ばないと自慢と捉えられる。
CASE019 リンゲルマン効果
集団で共同作業を行う時、人数の増加に伴って一人当たりの作業遂行力が少なくなる現象。人がたくさんいれば少し力を抜いても良いよね、という心理です。人数が多ければ良いというわけでもない。
CASE020 自己開示の返報性
自己開示をする(自分の胸の内を晒す)ことで、同じように相手も自己開示をしてくれるという法則みたいなもの。相手と親密になりたいのであれば、自分の弱みを少しずつ開示していくのが良さそう。
EXTRA CASE 心理的リアクタンス
人は自由を制限されると、それに抵抗しようとする心理。リアクタンスとは抵抗の意味です。「何も考えないでください」というと何か考えたくなるような働きです。
第3巻
CASE021 顔面フィードバック仮説
楽しそうな顔をすればその通りの気分になるというような仮説。顔の表情が気分に影響するのであれば、落ち込んだ時とか無理に笑顔を作れば立ち直りは早くなるのでは?
CASE022 ジンクピリチオン効果
よく分からない科学用語(言葉の響きがなんか良い)を用いられると、その言葉の響きや補足説明などで良し悪しを判断してしまう効果。「ジンクピリチオン配合」と謳ったシャンプーがヒットしたことに由来。
CASE023 現状維持バイアス
大きな変化を避けて今の状態を維持しようとする心理。100の見返りが期待できるのに現状の50の見返りで十分だという選択をしてしまいがち。定量的に分析するとか、他者のアドバイスを取り入れるのがこの心理の対応に有効。
CASE024 学習性無力感
長期にわたって回避困難なストレスのある環境に置かれた人は、その状況を回避しようと努力をしなくなる現象。ブラックな職場を辞めるという選択をできないのも、これが一つの要因?
CASE025 セルフ・ハンディキャッピング
自分の能力を低く公言する心理のことです。テスト直前に「勉強してないわー」という人の心理。自分自身にハンデを持たせることで「失敗しても当然であり、成功したらハンデを乗り越えた」と言い張れるようにする。たいていの人は当てはまる?
CASE026 レスポンデント条件付け
犬に餌を与える前にベルを鳴らすということを繰り返すと、次第にベルの音を聞くだけで唾液が分泌するという条件付。パブロフの犬。
CASE027 サンクコスト効果
すでに投資したお金や労力に引きづられて合理的な判断ができなくなる効果。UFOキャッチャーに1000円つぎ込んだらもう取るまで引き返せないというような思いにかられること。過ちは素直に認める勇気を。
CASE028 基本的帰属の錯誤
ある行動が起きた原因は、その行動をした人の内面にあると思い込んでしまう心理。ある人が仕事でミスをした時、その人にだけ原因があると思いがちになること。状況や環境を冷静に見ることが大切。
CASE029 ハルバースタットの実験
心理学者のハルバースタットが行なった実験。一番強そうな表情を調べると無表情という結果に。仕事とかでもここぞというときは無表情が良いのかも。
CASE030 単純接触効果
人は何度も繰り返し接触すると好感度が上がっていくという効果。何度も会う警戒心が徐々に薄れてきて気を許すようになってくること。苦手な人とは距離を取らずに近くにいた方が良いのかもね…
EXTRA CASE ブロークン・ウィンドウ理論
建物の窓が割れた状態を放置しておくと犯罪率が上がってしまうため、軽微な犯罪も取り締まった方が良いという理論。人は環境に流されやすい、だから部屋の少しの散らかりも放置すればあっという間に乱雑になる。