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隠れた名作の発掘が生きがい。

過激な法律によってもたらされる様々な正義『トリガー』


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ある一部の選ばれた人が、拳銃で人を殺めることが許される「射殺許可法」。


そんな法が適用された社会で様々な正義が示される物語が『トリガー』です。板倉俊之さん原作の小説で、漫画版は武村勇治さんが作画をされています。漫画は5巻完結です。


舞台は国王制となった日本。ある日、国王により「射殺許可法」が制定されます。この法の要点は次の通り。

  • 都道府県に1名ずつトリガーを配置する。
  • トリガーの任期は1月1日から12月31日の1年間とする。
  • トリガーにはICチップ内蔵の拳銃と、電子手帳が支給される。
  • トリガー本人が住民登録している都道府県内のみ効果がある。
  • トリガーがどのように銃を使っても、その行為は法的に処罰されない。


東京、千葉、静岡など、様々な都道府県でトリガーに関する物語が展開されます。感動する話もあれば、因果応報な話もあります。


正義とはなんだろう…そんなことを考えさせられる物語だと思います。正義は時と場合によって変わるものだと思います。変化に応じて適切な正義を示すことのできる人間は、果たしてどれだけいるだろうか。


トリガー(1)

トリガー(1)


とりわけ印象に残ったのは次の3つの話です。

第7話〜第9話 山崎重

自然にゴミを捨てる人を射殺していくトリガーの話です。自然を綺麗にしたい、そんな信念を持って人を次々に処理していきます。マナーの悪い人を見てイラっとする感覚は分かりますが、そう簡単に処理して良いものでもないわけで…

第15話〜第20話 加瀬智彦

犯罪を犯している悪人をターゲットにするトリガーの話です。ある日、トリガーの妻が病気にかかりますが、その病気を治すためには怪しい医者の力を借りなければならない状況になります。大切な人と信念、どちらを選ぶのが正義だろうか。

第32話 宮沢沙耶花

とある不動産屋のトリガーの話です。そこで働く女性社員は隣の席の社員がトリガーであると気づきます。しかし、トリガーを観察していても一向に銃を取り出す気配はなく数日が過ぎます。銃を使わない理由に正義の信念を感じる話です。


正義の形は多種多様です。『トリガー』はそんな様々な正義を見学できる漫画でした。