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隠れた名作の発掘が生きがい。

『動物たち』うまく伝えられない恩返しが可愛い

動物たちの予想外な行動に振り回される…そんな漫画がpanpanyaさんの『動物たち』です。もうね、表現力が素敵すぎますよ!


『動物たち』は17編からなる短編集です。大きく引っ越しの話と動物の話があります。


引っ越しの話では、引っ越し日の前後に感じる喪失感と期待感が折合わさったような、そんな気分を楽しめます。引っ越しを経験したことのある人にとっては既視感を覚える内容だと思います。


そして動物の話には「猯(まみ)」と「貉(むじな)」があり、同じような動物で違った可愛さを感じる内容になっています。

猯(まみ)及び貉(むじな)は、タヌキまたはニホンアナグマのことである。その呼称の使い分けは地方により様々で、中には「狸」を「まみ」と読む事例もあり、混同を極める。行政に於いては便宜上彼らを総称し「動物」と呼ぶことが通例となっている。貴方の住む地域では彼らを何と呼んでいるでしょうか。


表紙にある説明文ですが、このセンスがたまらなく良いですよ!



以下、各話のあらすじと感想です。

  • 残念だったこと
  • ついてない日の過ごし方
  • 朝ぼらけ
  • 引っ越し先さがし
  • 引っ越しの日
  • 引っ越した夜
  • 引っ越し先のルール
  • 引っ越しの可能性
  • 一〇〇年後の日常「家」
  • 「楽園」ご紹介漫画
  • 年越しと本
  • 示談の手引き
  • 手段
  • 正直者の傘
  • グラスホッパー・アドベンチャー
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不思議体験は魚とともに『枕魚』

現実なのか夢なのか魚なのか…


魚とともに不思議を経験する漫画がpanpanyaさんの『枕魚』です。もうね、表現力が素敵すぎますよ!


『枕魚』は22編からなる短編集です。ラフな容姿の主人公が不思議な体験をする話が満載です。「魚」がひとつのキーワードになっていて、多くの話に海や川の生き物をもとにした動物が出てきます。


例えば、表題の「枕魚」は枕に最適な魚であるマクラウオをテーマにした話です。「ニューフィッシュ」は漁港で水揚げされた妙な魚の話であり、「素人と海」では魚がなかなか釣れない話です。魚愛にあふれている漫画ですね。



以下、各話のあらすじと感想です。

  • NEWTOWN
  • 範疇
  • east side line
  • 備品
  • 記憶だけが町①
  • 雨の日
  • MY LOST SOCK
  • 地下行脚
  • 二〇一四年八月一八日の夢
  • 立ち方
  • 素人と海
  • ニューフィッシュ
  • プレゼント
  • ゴミの呼び方
  • 星を見る
  • 始末
  • 親切ラーメン
  • 運命
  • 恩の行方
  • 街路樹のあとさき
  • 記憶だけが町②
  • 枕魚
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就活生の皆さんへ。早く帰りたい…を重視するなら外資系企業が良いよ

日系の中小企業から外資系企業に転職して3年が経ちました。いやー、労働環境ががらりと変わりましたよ!


一番大きく変わったことは労働時間だと実感しています。前職は終電帰りが多かったですが、転職してからは終電帰りをしたことがないです。残業の有無はプロジェクトに依存する部分が大きいですが、転職先はプロジェクト管理がしっかりしている(と思っている)ので、平均的にも労働環境は良いと感じています。


そして、その労働環境が成り立っている要因には外資系ならではの社風があるように思いました。この社風を経験したのであれば、次に転職するときも外資系がまず候補に入りますよ。

成果主義」という残業抑止の仕組み

成果主義の考え方が根付いているように思います。例えば8時間の労働時間があったとします。

  • A「通常業務を8時間行い、残業を2時間して作業効率化をしました」
  • B「通常業務を6時間行い、残りの2時間で作業効率化をしました」


今働いている企業で評価されるのはBです。「2時間のコストをかけて効率化した」ではなく「与えられたコストのうち2時間を使って効率化を行えた」が評価されます。同じコストに対していかにパフォーマンスを出せているかが重要視されていて、それが現場に根付いているように感じています。


例えば、業務時間中にE-ラーニングをしている人がいても良いです。他の仕事をしていても良いです。与えられた仕事を終わらせることができるのであれば他の作業をしていてもおとがめはないです。


そして、「だらだらとした残業をするやつ=パフォーマンスの悪いやつ」みたいな共通認識があり、自分の仕事が終わった人はさっさと帰ります。例えチームメンバーが何か作業に行き詰まっていても、自分の責任の範囲でないのであれば、まぁ帰ります。個人主義の強い現場です。


そんなわけで、「早く帰りたい」を優先するのであれば外資系企業に転職するのが良いと思いました。ただし、相応の成果を挙げられる能力と、その成果に対して100%の責任を負うことが求められているので、それに耐えられることが必要条件です。


念のため、この記事は4月1日に公開した。

『蟹に誘われて』日常に潜む不穏さや不思議さを満喫しました

日常と繋がっている不思議な世界を描いた漫画がpanpanyaさんの『蟹に誘われて』です。もうね、表現力が素敵すぎますよ!


絵の特徴としては、背景が達筆に描かれており、そして対照的に主人公はラフな(やや浮いた)感じで描かれているところにあります。最初は「ん?」と思うんですけど、読み進めるうちにこの絵が癖になってきます。くはーってなります。


そして、所々に書かれている日記がまたセンスがあるんですよねー。例えば表紙に書かれている日記の出だしは次の通り。

蟹に誘われたことがある。蟹はその鋏と歩脚を器用に使い驚くほど素早く地面を移動する。誘われる側も楽ではないが、蟹の持つ優美な外見と数多の美食家を虜にするという豊かな食味、そしてその市場価値のことを思えば全速力で追いかける価値は十分にある。蟹は思うままに住宅街を駆け抜け私を翻弄した。


もうね、くはーってなりますよね。日常に潜む不穏さや不思議さの表現力が抜きん出てますよ。



本編は18編の短編で構成されています。以下、その簡単なあらすじと感想です。

  • カニに誘われて
  • わからなかった思い出
  • 魚の話
  • inovation
  • 地獄
  • パイナップルをご存知ない
  • 池があらわれた話
  • 方彷の呆
  • 山椒魚事件
  • decoy
  • 気味
  • TAKUAN DREAM
  • 二〇十四年一月三一日の夢
  • 甲斐
  • 不穏な日
  • THE PERFECT SUNDAY
  • 計算機のこころ
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『かぐや様は告らせたい』の勝敗結果をまとめました

赤坂アカさんの漫画『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』がアニメ化必至のおもしろさですよ!


この漫画は、生徒会の副会長「四宮かぐや」と会長「白銀御行」が主人公で、お互いが自分に告白させようと画策するラブコメです。「如何に相手に告白させるか」を計画して実行し、そして何かの勝敗が決まる…そんな展開を繰り返すような内容です。


基本的には1話完結型の構成で、その多くの最後は勝敗結果で締めくくられています。例えば「本日の勝敗結果 かぐやの勝利」といったように終わります。こういうのを見ると勝率が気になってくるわけで…


そんなわけで、勝敗結果を集計してまとめました。随時更新、ネタバレ注意です。


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