日本から人が不条理に消えていく。一日に数百万人という規模で。『コズミック・ゼロ』は清涼院流水氏の壮大な消失パニックサスペンス小説です。
- 作者: 清涼院流水
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/05/10
- メディア: 文庫
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本作における日本人が全員消失するという設定と、いずれがリアリティがあるだろうか?科学的な評価をすれば、明らかに後者(本作のプロット)の方が現実に発生する確率が高い、といわざるをえない。
小説の解説では内容のリアリティについて言及していました。私としては一日に数百万人が消えるという現象に現実性を感じなかったです。しかし、内容としてはあり得なくはなく、その内容に現実感を持てるかどうかを試しているような内容でした。
友人から清涼院流水さんの作品は読んだ後に本を投げつけたくなる作風ということは聞いていたけれど、確かにオチはそんな感じでした。心地良い後味の悪さでしたぜ。