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外国為替証拠金取引(FX)の仕組みを再勉強!


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外国為替証拠金取引(FX)とは、証拠金をFX業者に預けることで通貨の売買ができる取引のことを言います。レバレッジをかけることで証拠金よりも大きな金額の売買ができます。


そんな外国為替証拠金取引を復習しました。外国為替の概要、為替リスク、FXで利益を得る仕組みの順にまとめました。また、FXをやってみた感想と参考図書も書いています。

外国為替について

外国為替とは、通貨の異なる国際間の貸借関係を、現金の送付によらず、債権の譲渡によって決済する方法です。例えば円とドルという通貨を交換することです。


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外国為替の取引では、自国と他国の通過を交換するため、その交換比率が重要になってきます。この交換比率のことを(外国)為替相場といい、為替相場は国同士の需要と供給のバランスをとるために時々刻々と変化します。


今、円とドルを考えます。為替相場の説明に使われる概念として、円安、円高、ドル安、ドル高があります。


 円安:ドルに対して円の価値が低くなっている状態。
 円高:ドルに対して円の価値が高くなっている状態。
ドル安:円に対してドルの価値が低くなっている状態。
ドル高:円に対してドルの価値が高くなっている状態。


これらの概念は、まず基準となる状態を設定し、その状態から見た円やドルを考えることで把握されます。例えば基準となる状態が「1ドル=100円」の時、「1ドル=110円」になれば円安です。100円で購入できた1ドルの物が110円払わないと購入できなくなったため、円の価値が低くなったと解釈されます。逆に、「1ドル=90円」になれば円高です。


また、”円安ならばドル高”、”円高ならばドル安”といった関係があります。例えば「1ドル=100円」から、「1ドル=110円」になれば円安でした。このとき、円を基準に考えると「100円≒0.91ドル」になります。1ドルで購入できた100円のものが0.91ドル払わないと購入できなくなったため、ドルの価値が高くなった、つまりドル高になったと解釈されます。


上図は時間による”1ドルあたりの円”と”100円あたりのドル”の変動をそれぞれ実践、破線で例示しています。”1ドルあたりの円”が円安傾向になると、”100円あたりのドル”はドル高傾向になります。”1ドルあたりの円”が円高傾向になると、”100円あたりのドル”はドル安傾向になります。 


為替リスク


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為替リスクとは、外貨建て資産(または負債)の保有者が為替相場の上昇や下落によって損失をこうむる(または利益を得る)可能性のことです。


例えば「1ドル=100円」の状態で物品を買ったとします。もし円安が進み「1ドル=110円」で売却ができると110円と100円との差で10円の利益が出ます。しかし、円高が進み「1ドル=90円」で売却せざるを得ない場合、90円と100円との差で10円の損失が出ます。


海外からの輸入品は円安になると高く、円高になると安くなります。また、海外への輸出品は外国人から見れば円安になると安く、円高になると高くなります。そのため、輸入品を多く取り扱う企業は円安には不利で円高には有利となります。反対に、輸出品を多く取り扱う企業は円高には有利で円安には不利となります。

外国為替証拠金取引の仕組み

外国為替証拠金取引(FX)は外国為替を利用します。FXで利益を得る方法は主に2つあります。1つは為替差益、もう1つはスワップポイントです。


為替差益
為替差益とは、通貨を安値で買って高値で売った時(または高値で売って安値で買った時)の高値と安値との差です。例えば「1ドル=100円」でドルを買って、「1ドル=110円」でドルを売ると、その差10円が利益となります。


スワップポイント
スワップポイントとは、売買した通貨どうしの金利差のことをいいます。例えば、日本(円)の金利が0.1%、アメリカ(ドル)の金利が0.3%の場合、円を売ってドルを買うとその差の0.2%の金利が受け取れます。反対に、ドルを売って円を買うと0.2%の金利を支払う必要があります。金利は毎日清算されます。

 
FXは証拠金の何倍もの通貨を売買でき、その倍率のことをレバレッジ(てこ)といいます。例えば、FXの取引の売買が1万通貨単位で「1ドル=100円」のとき、レバレッジをかけない場合は100万円の証拠金を用意する必要があります。レバレッジを10倍にすると必要とする証拠金は10万円です。また、100倍にすると証拠金は1万円です。


今、証拠金を(A)100万円、(B)10万円、(C)1万円を用意して、レバレッジをそれぞれ1倍、10倍、100倍にしたときを考えます。そして、「1ドル=100円」で1万ドルを買い、「1ドル=101円」で売却して1万円の利益が得られたとします。このとき、(A)、(B)、(C)の利益率はそれぞれ1%、10%、100%です。


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次に、「1ドル=100円」で1万ドルを買い、「1ドル=99円」で売却して1万円の損失となった場合を考えます。このとき、(A)、(B)、(C)の損失率はそれぞれ1%、10%、100%となります。同じ利益(損失)を考えると、レバレッジが高いほど利益率(損失率)が高くなります。


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また、FXにはロスカット・ルールというルールが存在します。ロスカット・ルールとは、通貨の評価損が一定の水準に達した時に、通貨を強制的に売買して損失を確定するルールです。このルールによって、証拠金以上の損失がでるのを防ぎます。


FX業者の選択においては、売買手数料とスプレッドという2つのコストが重要かと思います。売買手数料とスプレッドはFX業者の利益の要因となります。


売買手数料
通貨の売買のたびに手数料を必要とする場合があります。手数料無料が標準になりつつあります。


スプレッド
スプレッドとは、ある時点における買い値と売り値との差です。ある時点においてドルが「1ドル=100円」で買えるとしても、その時点でドルが「1ドル=100円」で売れるわけではなく、実際には例えば「1ドル=99.9円」でしか売れないようになっています。この100円と99.9円の差0.1円がスプレッドです。


所感

学生の頃に1ヶ月ほどFXをやっていましたが、結果は損失を抱えて終わった感じです。敗因は、勉強と経験不足はもちろんのことですが、スプレッドの影響が大きいと感じました。あたり前なことではありますが、例えばロング(買ってから売ること)で為替差益を狙う場合、通貨は「購入額+スプレッド」以上の値を目指す必要があります。この壁は思ったよりも大きく、直感で売買し続けるだけでは確実に損をすると実感させられました。


また、売買タイミングを逐一確認していたため、そのチェックだけで数時間を使うことがよくありました。そのため、時間と効果を秤にかけて望むことが大切だと感じます。そういうわけで、サラリーマンには向かない気がします。


参考図書

FX<外国為替証拠金取引>のしくみ (図解雑学)

FX<外国為替証拠金取引>のしくみ (図解雑学)

『図解雑学 FXのしくみ』は、文字通りFXの基礎を図解した参考書となっています。外国通貨の特徴、国際金融、情報分析法など、FXに必要な基礎知識が一通り学べる仕様となっています。また、実際の売買のやり方や情報収集の仕方も書かれているため、実践書としての活用も期待できます。


本書は為替変動が起こる要因についての言及が充実しており、ファンダメンタルズ分析を学ぶための入門として最適だと感じます。最終章では、為替が大きく動いた歴史について述べられており、本書で得られた知識の確認ができます。