困難に抗う姿はやはりかっこいい。今までの知識や経験を総導入して、生き残るための最善の一手を絞り出す。現状分析、仮説と検証、推察結果からの反撃、そんな論理的な展開が特徴的で、理系な頭を刺激するバトルもの小説が人造救世主シリーズです。その第二作目『人造救世主 ギニー・ピッグス』を読みました。
ギニー・ピッグスとは実験材料のことであり、おそらくそれは施設で生み出された偉人のクローン達のことを暗に示しています。施設では、ある目的のために偉人のクローン人間を作り続けていて、倫理的に好ましくないようなことをやってたりします。プロローグはそんな施設から何人かのクローン達が逃げ出したところから始まります。
- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2012/10/01
- メディア: Kindle版
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「従順な戦闘員をこれ以上作る必要はない。我々が欲しいのは強烈な個性を持った英雄なのだ」
様々は可能性を競わせて一部の優良を選別することを考えた時、環境に合わせて変化できるモデルが選別されやすいのではないかと思います。バトルを考えた時、理想的な環境で戦えることなんて滅多になくて、だからこそその場の環境に合わせてより的確な一手を繰り出せたものの生存率が高くなる。自然淘汰という言葉がふと頭に浮かんだ内容でした。
二巻のまとめメモ
(以下ネタバレ多い)
登場人物
【MESSIAH】…世界征服とか企んでいそうな組織
フルーフ:父な人
マネシバウ:教師な人
【逃げ出したクローン】
二番:準主人公気質な人
三番:棘な人
五番:衝撃波な人
六番:翼が生えた人
八番:命令しちゃう人
九番:脇腹に枯れ枝な人
【追いかけるクローン】
ウォロン:念力な人(元十六番)
ラピュセル:幻覚な人
グリゴリ:盲点な人(元三十二番)
葵:速い人(元三十三番)
十五番:アマゾネスな人
【その他】
ひとみ:巻き込まれた人
ジーン:巻き込まれにいった人
【ドイツ】
トラウト:絶叫する人
ヴェルムート:艦長な人
バトル
二番、六番、八番(、九番) vs ウォロン:やめてエグい!
三番、五番 vs グリゴリ:裏切り戦
ヴォルフ vs グリゴリ:貧血戦
ひとみ vs 葵:自爆戦
ヴォルフ vs 十五番:不意打ち戦