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隠れた名作の発掘が生きがい。

『ノックス・マシン』文字の世界と現実世界が結びついていく展開がすごすぎる。。


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ミステリーが大好きな文系人と、SFが大好きな理系人がそれぞれ面白いと感じる部分を持ち寄って融合させたようなエンターテインメント、それが法月綸太郎さんの小説『ノックス・マシン』でした。「どうやったらこんな発想が生まれるんだ」と思わずつぶやいてしまうくらい、ストーリーがすごかったです。


「このミステリーがすごい! 2014」では1位、「SFが読みたい! 2013」では6位という高評価な小説です。読んだのはkindleストアで出版されている電子オリジナル・コンデンス版で、「ノックス・マシン」「論理蒸発―ノックス・マシン2」の2篇が収録されています。



ノックスの十戒
5 「探偵小説には、中国人を登場させてはならない」


ノックスの十戒のうち、この5番目だけが異質であって、この異質さ解消するためにNo Chinaman変換を思いつく。物語を数学的に扱おうとして、なおかつこういった具体的な解決手法の発想にいたったりするところが『ノックス・マシン』のすごい、かつ、面白いところだと思います。


そして、文字の中だけにあった世界が現実世界と結びついていくといった展開にSF的なワクワクさを感じます。極度に発達した科学は物語さえも制御する、といったような内容が圧巻すぎます。物語を構成する要素の分析もすごくて、その分析が世界の真理を探求しているようで面白すぎでした。