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隠れた名作の発掘が生きがい。

『ゼロの未来』ひとり作業の在宅勤務は精神を病むよ


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主人公のコーエンは、通勤を辞めて自宅で仕事をしたいと会社に要請します。会社が在宅勤務OKのかわりに主人公に依頼した仕事は「ゼロの定理」を証明することでした…そんな導入で始まる映画が『ゼロの未来』です。


通信技術などが進歩すれば、会社に通勤する頻度は少なくなっていくと信じたいです。が、この映画で描かれている未来の会社は、旧態依然として会社に通勤する形態が残っています。技術が進歩しても、人を近くに置いて管理しておく体制は残っていく気がします。


コミュニケーションが多く必要でない仕事は在宅勤務でもできるけれども、それが普及していかない理由には「人と人との直接的なコミュニケーションが精神的な健康を良くする」信奉があるためだと思います。たいていの人は、直接的なコミュニケーションによってストレスや不安が緩和されるのではないだろうか。


もし、在宅勤務が単調なデータ入力とか、終わりや目的が見えない作業とか、または掘った穴を埋めるような作業であるならば、精神を病んでいくのだと思います。しかし、家族とか、気軽に愚痴を言い合える仲間とかが近くに入れば、精神は病まないと思うので、在宅勤務であってもぜんぜん良いと思うのです。



今 我々が喜びを感じれられることはない


この映画は「生きるとは何か」がひとつの主題になっています。そして、その主題の回答には「人と人との関係性」がひとつの重要な要素になっているのではないかと思います。生きる意味を考えた時、その答えにはどれも「人との繋がり」が含まれている、そんなことを思いました。


あと、テリー・ギリアム監督の描く近未来の世界は良い意味で狂っていて素敵ですね。サーカスの舞台のような未来、混沌としています。