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隠れた名作の発掘が生きがい。

立方体の建物×パズル×だまし絵『BOX~箱の中に何かいる~』


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名状し難いものがいる!


そんな漫画が諸星大二郎さんの漫画『BOX~箱の中に何かいる~』です。全3巻。


物語は主人公の多角光二の元に送り主が不明の「箱根細工(からくり箱)」が届くところから始まります。その箱根細工を解くと、同時に街に異変が起きます。気になるままに調べていくと入口のない立方体の建物を発見します。


その建物に同じくパズルを受け取った人たちが集合します。その内のひとりが持っていたパズルを解くと、突如として入口が現れます。どうやら各々の持っているパズルを解くと先に進める仕組みであると理解し、パズルを解き進めていきます。



集合した人たちが持っていたパズルは次の通りです。

登場人物 パズル
多角光二 箱根細工
桝田恵 ルービックキューブ
甲田真一郎 開かない箱
谷寛一・八重子 迷路
山内誠 クロスワード・パズル
神宮智恵子 立体を転がすスマホアプリ


これらのパズルを素直に解き進められれば良いですが、謎解きを邪魔する存在が現れて妨害してきたり、不可思議な現象で足止めされたりと、なかなかの困難が待ち受けます。アドベンチャー要素も強めです。


漫画家でしか描けないような謎がとても素敵でした。だまし絵をパズルにアレンジする創造力にすごさを感じます。また、ときどき各話の扉絵に読者向けのパズルが用意されていて、それが独特で面白いです。例えば「間違い探し」の逆「間違ってない探し」があります。


立方体って何かよく分からない魅力がありますよね。『BOX~箱の中に何かいる~』はそのよく分からない魅力を堪能できる物語だと思います。