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隠れた名作の発掘が生きがい。

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』利益主義から価値主義へ


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お金で交換できる価値の範囲が、今後ますます広くなりそう。。


そんなことを思った本が佐藤航陽さんの『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』です。いやー、お金の見方が変わりました。


・円やドルといった法定通貨
ビットコインに代表される仮想通貨


その2つの通貨が同じ枠組みに当てはめられない…まずこれに驚きました。本書いわく、法定通貨と仮想通貨が野球とサッカーぐらいに別の仕組みである、とのことです。


キーポイントは中央集権化から分散化という流れです。「自然の秩序を考えると、中央集権化は不自然のため、これからは分散化が進む」というのが本書の主張です。この考えを通貨に当てはめると、


法定通貨…中央集権化の流れによって作られた通貨
・仮想通貨…分散化の流れによって作られた通貨


と言うことが出来ると思います。法定通貨は国家が発行するものであり、仮想通貨は独自の価値を生み出す経済システムが発行するものである…この考え方がすごくしっくりきました。



分散化が進んでいくとどうなるか…そのひとつの回答は「価値主義」でした。利益の追求を良しとする資本主義から、個々の価値の追求を良しとする価値主義へなっていくとの予想です。自由に使えるお金が増えていく…という前提はありますが、自由に使えるお金が増えていけば、自分にとって価値あるものに使おうとするので、この流れは自然のように思います。


価値の保存・交換・測定が技術の進歩によって可能となってきているように思います。例えばSNSでよく見かける「いいね」ボタンが価値をやりとりする仕組みになり得そうです。有用な情報を発信すれば「いいね」がもらえるので、「いいね」の数がその情報の価値を表したものと捉えることができそうです。この「いいね」が様々な価値と容易に交換できるようなってくるのであれば面白い未来になりそうです。


仮想通貨は個々の価値を交換する手段になりうる…そう理解しました。ただ、仮想通貨で交換できる価値が不明瞭のため、現在(2018年)はまだ多くの人は実体がつかみにくいのだと思います。仮想通貨で交換できる価値が明確になっていくのであれば、仮想通貨を持つ人も自ずと増えていくのではないか…そんなことを思いました。