余命24時間を告げられる…
「国家繁栄維持法(通称、国繁法)」が適用された国が舞台です。国繁法とは「死」への恐怖感を植えつけることによって「生命の価値」を再認識させることが目的の法律です。
- すべての国民は小学校入学時に「国繁予防接種」を受ける
- その予防接種の注射器には0.1%の確率で特殊なナノカプセルが入っている
- ナノカプセルは18-24歳のあらかじめ設定された時間に破裂し、命を奪う
- ナノカプセルが破裂する24時間前に、本人に死亡予告書(通称イキガミ)が配達される
主にイキガミが届いた人に焦点を当てたエピソードが語られます。全部で20エピソードあります。
24時間後に死ぬと告げられた時、告げられた人はどんな行動をとるだろうか。きっと絶望して犯罪を犯そうとしたり、後世に希望を残そうしたりします。そんな様々な生き様を見ることができます。
その中から特に面白かったエピソードを3つ紹介します。
Episode 6 最愛の嘘
事故によって眼が見えなくなった妹。角膜を移植すれば眼が見える見込みがありますが、その角膜の提供者がなかなか現れずにいます。そんな状況の中、兄のもとにイキガミが届きます…
残された時間を最愛の人のために使える人はどれだけいるだろうか。そんな行動を取れる人に感動します。イキガミ屈指の名ストーリーです。
Episode 13 遺影
とある家族はアナログカメラで撮ったフィルムの現像を仕事とする写真館を経営しています。息子は大人になったら写真館を継ぐことを夢見ますが、デジタル現像機を導入した方が良いと反発します…
息子にイキガミが届き、残された時間で写真館の今後について考えます。家族と写真が本当に好きでなければ言えないような重い言葉が印象に残ります。
Episode 20 幻の国
“生粋の国繁崇拝者”になるためにとあるカリキュラムを受けた元イキガミ配達員は、かつての上司から元思想犯の監視を依頼されます。その元思想犯はかつて好意を寄せていた人物でした…
国繁法の本当の目的を知ることができる最終回です。壊れた社会の行く末に希望はあるのだろうか…抵抗する意思があるのであれば、希望を見出せるのかもしれないです。