株式とは、株式会社へ出資した証拠として発行される券です。株式には金銭的な価値があり、その価値を株価で表します。株式は、持っているだけで見返りをもらえたり、譲渡によってお金と交換したりできます。
株式投資で利益を得る方法にはインカムゲインとキャピタルゲインがあります。インカムゲインとは株式を持っているだけで得られる利益であり、配当金、株主優待などがあります。一方、キャピタルゲインとは株式の売買によって得られる利益のことです。
インカムゲイン
配当金
配当金とは、持っている株式の価値や数に応じて、企業から分配される利益のことです。利益の分配のことを配当とよび、配当は一年や半年などの間隔で行われます。
配当金の金額は常に一定額ではなく、企業の業績によって決まります。業績が悪い時には配当金が少なくなったり(減配)、配当自体が無くなったりします(無配転落)。反対に、業績が良い場合は配当金が多くなったり(増配)、これまで無配だった状態から配当が行える状態になります(復配)。配当の種類には次のようなものがあります。
普通配当
一般的な配当のことを言います。特に、中間決算後に支払われる配当金のことを「中間配当」、四半期決算後に支払われる配当金のことを「四半期配当」と呼びます。
特別配当
上場や、創立○周年などを記念して支払われる配当のことです。
記念配当
企業の業績が好調で、大きな利益を得た時などに支払われる配当のことです。
配当金に関する主な指標には「配当利回り」と「配当性向」があります。
配当利回り
配当利回りとは、配当金が幾らもらえるかの指標です。株価に対して配当がどれくらいかを示しており、次のような計算式で計算されます。

例えば、1株あたりの配当金が20円、株価が1000円の場合、配当利回りは、
(20÷1000)×100=2(%)
となります。実際には、配当金の実績値や、年に2回以上配当する状況などを考慮するため、計算式は上式の通りとはならないですが、大まかな考え方は上述の通りです。
配当性向
配当性向とは、当期純利益のうちどれだけが配当金にあてられるかを示す指標です。配当性向は次のような計算式で計算されます。
例えば、1株あたりの配当金が20円、1株あたりの当期純利益が100円の場合、配当性向は、
(20÷100)×100=20(%)
となります。配当性向が低い場合は、内部留保率が高いと解釈されます。
株主優待
株主優待とは、企業が株主に商品やサービスを与える制度のことです。商品やサービスを受け取るためには、利権確定日に一定数以上の株式を所有していることが必要です。
株主優待としてもらえる商品やサービスは、企業独自のものが多いです。商品の詰め合わせや、企業のサービスに使える割引券など、さまざまあります。しかし、株主優待制度には法的な義務はないため、すべての企業がその制度を利用しているわけではありません。
企業が優待制度を導入することによって期待できる効果はいくつかあります。
金銭的なメリットとしては、利益を株主に配当金として還元するよりも、株主優待として還元したほうが低コストであることです。例えば、1000円の利益を原価700円の自社商品の優待券として株主に還元すると、実質300円分だけコストが低くなります。
また、株主優待で自社商品を提供することによって、自社商品の宣伝効果と顧客の増加が期待されます。商品が魅力的であれば、その株主優待目当てで株式を購入する個人株主の増加も期待されます。
株主にとってのメリットは、株主優待内容を金額換算した利益が大きくなる可能性があることです。それは、前述のように企業が株主優待として利益を還元した方が低コストであることに起因します。
例えば、企業が1000円の利益をすべて株主に還元するとします。商品価格が500円で原価が200円の商品の割引券として還元する場合、500円の割引券が5枚(=1000円÷200円)できます。株主にとっては2500円(=500円×5枚)の利益が得られるため、企業の利益1000円を配当金として受け取った場合よりも2。5倍高い利益が期待されます。
キャピタルゲイン
株式の売買によって得られる利益のことです。
しかし、実際に24000円のすべてが利益となるわけではありません。まず、株の売買は証券会社やに依頼して行うため、その売買手数料がとられます。また、キャピタルゲインに対しキャピタルゲイン課税(有価証券譲渡益税)がかかります。売却までに配当金を得た場合には、それに対し配当金課税がかかります。
参考書
図解雑学 株のしくみ
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また、株式の基本的な知識が学べるだけでなく、株価を左右する要因や、どんな時にどんな株価がよいかなど、投資情報の読み方の基本も書かれています。すぐに実践できる情報もまとめられているため、入門書としての活用が期待できます。
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東京大学株式投資クラブAgentsの分析手法が学べます。分析は次の3ステップで行われます。(1)マクロ要因を分析、(2)ミクロ要因を分析、(3)需給要因を分析。それらの分析手法の基本が前半に、具体的な株式の分析例が後半に説明されています。
”東大”と聞くと難しそうなイメージを持っていましたが、図解が多く、重要な部分にはラインが引いてあるのでサクサクと読み進められました。マクロからミクロへと分析対象を狭めていく手法はとても合理的に感じます。株式分析の手引き書としておおいに参考となる一冊です。
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