マイナー・マイナー

隠れた名作の発掘が生きがい。

2009-01-01から1年間の記事一覧

ちょっとチリにいってくる その5

2009年11月28日 この日は先生とT君と一緒にサン・クリストバルの丘へと行った.まぁ,観光だった.大きな女性の像が丘の上にあり,丘の上から見下ろした景色はスモッグがかっていた. 大きな像 丘から見たサンティアゴの街 2009年11月29日 この日は一人でサ…

ちょっとチリにいってくる その4

2009年11月23日 この日から9日間,オフィスへいって実験とかした.オフィスの人は,労働時間が短く,みんなきっかり8時間ほど働いて帰宅していた.また,オフィスにいる人はたいてい英語が話せて,英語でコミュニケーションがとれるという経験はおもしろかっ…

ちょっとチリにいってくる その3

2009年11月22日. 朝,僕とT君はサンティアゴの空港に着いた.ドルからチリペソの換金も済ませ,まずは滞在するはずのホテルへ向かいたかった.移動手段はどうしたものかと思ったが,タクシーの勧誘が盛んだったので,タクシーを利用することにした.英語が…

ちょっとチリにいってくる その2

2009年11月21日. いよいよチリに行く日が来た.僕とT君の2人が一緒に行く.飛行機の経路は名古屋(日本)→デトロイト(アメリカ)→アトランタ(アメリカ)→サンティアゴ(チリ).海外旅行初心者に2回の乗り換えというハードルがあったりする.それに加えて…

ちょっとチリにいってくる その1

2009年10月5日のことだった. いつもどおりに研究室に来た僕は,心が穏やかだった.なぜなら,それは先生が出張で一週間ほどいないためだった.今日から一週間はプレッシャを感じずに作業ができる.そんな雰囲気が研究室内に漂っていた. 僕の一日の研究活動…

家族ランドマーク

大澄剛氏の描くひとつの家族の物語.人よりも髪の伸びるスピードが速い姉がいる家族. この漫画の非日常性は,姉の髪の伸びるスピードが感情の起伏によって速くなるということだけです.けれど,そのひとつの性質が不思議な魅力をもっており,その不思議性が…

きみとぼくの壊れた世界

西尾維新氏が提供するミステリィ.禁じられた一線らしき何かを踏み越えて,世界は壊れていく. タイトルから,「主人公に関係する世界がだんだんと壊れていくのだろう」と予測していて,その予測はあながち間違いなく進んだ.しかし,想定外だったのは世界の…

終末のフール

伊坂幸太郎氏が描く終末.3年後,小惑星の衝突により地球は滅亡する.そんな今を生きる人々の物語. 何事も,終わってから気づくことが多いと感じる.けれど,この小説は終わる前に気づかされる,そんなふうに感じた.明確な終わりが設定されてから始まるス…

マジック(手品)のタネが分かるということ

マジック(手品)が不思議でなくなったのは大きく2つの経験がきっかけだった.1つは森博嗣氏の小説『幻惑の死と使途』を読んだこと,もう一つは目的と手段を意識したことである.この2つに触れたことで,今では大半のマジックのタネが分かるようになった. …

90年代前半が小学生の,僕の心に深く残った映画作品

一番最初に観た映画は覚えていないけれど,一番最初に心に残った映画は覚えている.それは『REX 恐竜物語』という映画だ. 『REX 恐竜物語』は主人公である安達祐実がレックスと名づけられた恐竜と交流を深めていくという内容である.子供心ながら「恐竜はど…

とある魔術の禁書目録の魔力,あるいは引力

ここ数週間ほど『とある魔術の禁書目録』の小説にはまっていた. 隙間時間に読んでいこうと思っていた小説だったけれど,一度読むと抜け出せなくなり,なおかつ巻を増すごとに面白くなっていくために,気がついたら他の作業が手に付かなくなるという状態に陥…

Marieの奏でる音楽

古屋兎丸氏が描くファンタジー.神はMarieに,人々を幸福にせよと言われた.絶対的な安楽を舞台にした,真理を巡る物語が動き出していた. 個性的な世界で平和に生きる人々は,楽園のイメージを想起させます.物語のカラクリは緻密に織り込められており,つ…

うまい棒パン

料理が苦手な僕ですが,いつかはビーフストロガノフが作りたいのです.そのために,料理を学んでいき,料理の上達過程を記録する誰得記事を書いていきます.そもそもビーフストロガノフってなんだ? 第一回目はうまい棒パンです.おそらくは,うまい棒と食パ…

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

次元が違う. それが率直な感想です.エヴァ以来,SFアニメの限界をなんとなく感じていたが,その限界をあっさりと通り越してしまうインパクトがそこにあった.それはエヴァというブランドを過大評価しているだけかもしれないが,その評価を決定づける何かは…

数学ガール

結城浩原作,日坂水柯作画の数学少女.キャッチフレーズは”理系にとって最強の萌えをあなたに”. 数学ガールことミルカさんは数学に関する哲学的な何かを具体化する.”数学が美しい”という概念はミルカさんという存在によって昇華されると言ってもよいくらい…

銃夢

木城ゆきと氏によるSF格闘漫画.クズ鉄町で発掘された少女型サイボーグが戦いに巻き込まれていく. 『身体をサイボーグ化してバトルしあう』という着想は,近未来で行われる破壊的な戦闘シーンとして想像する典型であると感じる.本作はそのイメージの根底を…

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

村上春樹氏による世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド.壁に囲まれた世界と,脳で暗号を取り扱う世界とが交錯する. 完全な世界と不完全な世界とが並行的に語られる.2つの世界は互いに連関しながら,心についてのあり方を探索している,ように思え…

ギョ

伊藤潤二氏による魚系ホラー作品.海から湧き出てくるたくさんの魚型が人々を襲う.奇奇怪怪な器械がわさわさ. 死んだ動物がなおも活動を続けるという腐臭漂う世界が素敵.死と生に接続した異形は単純ながらも凶悪なエネルギーで,まるで暗黒系の未来を支え…

うずまき

伊藤潤二氏によるうずまき作品.町や人が,原因のわからぬままにうずまき化していく.不可避で奇妙な現象が拡大していく. うずまき模様は視線を中心に向かわせる性質をもつ.そんなうずまきの魅力を具体化したようなホラーが特質的で素敵です.ちいさな異変…

アトモスフィア

西島大介氏が描くドッペルゲンガー.ある日,わたしの分身が現れたことから世界の対称性が崩れていく. 不条理だけれども,それを赦せる,そんな理想像が漠然と頭の中にある.支離滅裂な現象をも許容し,関心すら希薄な世界で,主人公が本心を気持ちいいほど…

超伝脳パラタクシス

駕籠真太郎氏による超伝脳作品.サードラと呼ばれる巨人を制御して,さまざまな用途に活用する世界. サードラをクローンし,増産し,分解し,接合する.人間機械論を極めていった1つの極所解的な世界がエログロく飽和している感じです.人権,モラルという…

STONe

ヒロモト森一さんによるSF作品.舞台は星を潤していた海が全て砂と化してしまった地球.人類最後の生命は尽きようとしていた. 人間が存続していることが不思議なくらいの荒廃的な世界が大好き.そんな絶望的な自然の中で生きている人達の信条や価値観が交錯…

BIOMEGA

二瓶勉さんによる壮大なスケールで描くバイオハザード.生存はとても絶望的.未曾有の大災害は,地球すらも巻き込んで,飛躍して拡大する.圧倒的な武装で挑む戦闘シーンは,疾走感と迫力を帯びていてかっこいいです.また,創造された世界と生命は,人口と…

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序が今夜ついに地上波で

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 特装版 [DVD]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2008/04/25メディア: DVD購入: 5人 クリック: 752回この商品を含むブログ (452件) を見る 20:50頃『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE.』が…

ABARA

二瓶勉さんによる妖艶なグロテスクが炸裂するハードなSF作品.巨大な廟のある世界でアバラっぽい何かをまとったヒーローが躍動する. 背骨がむずがゆくなるような生物兵器を制御して,圧倒的なパワーとスピードを持つ異形の生物に立ち向かう.その姿は暗黒と…

NOiSE

弐瓶勉さんによるSF作品.BLAME!とリンクした世界を描いた外伝.世界変革の一部始終を収録.BLAME!と比べるとより説明的に物語が進んでいくので内容は理解しやすい. 開発途上ではあるが,荒廃の兆しをみせている世界に惚れ惚れする.自らの肉体を改造してで…

BLAME!

弐瓶勉さんが描くSF作品.無限に続く都市の中を彷徨う話.高度な技術に支持されてはいるが,生命の生気は希薄な世界.退廃的で電脳的な質感がとても素敵. 主人公の目的は都市の増殖の原因となるカオスの加速を止めること.物語には世界についての情報が少な…

その決意は新世紀エヴァンゲリオンが導いた

契機小学生も後半の頃,僕は映画にはまっていた. 映画が好きで,テレビで放送される映画を新聞でチェックをするのが日課な小学生だった.21時から放送予定の映画が野球の延長でずらされると怒ってたりしてた.映画館で公開される映画のチェックも欠かさずし…

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字<上>

山田真哉さんが伝授する数字がうまくなる本.数字の”力”を理解する事で日常生活,金銭感覚,会計がますますおもしろくなる. 今までの僕の真理への近づき方が今までは発見的に近かったのに対し,原理やルールを理解することで戦略を持てたと感じる.即戦力の…