死なない日常を描いた漫画が施川ユウキさんの『銀河の死なない子供たちへ』です。全2巻です。
主な登場人物は、子供の「π」「マッキ」と、その母である「ママ」の3人です。3人は死ぬことがなく、人類の足跡が残る地球で、永遠とも続くような日々を過ごします。
他の生物が次々と生まれては死んでいく中で生きざるを得ない…そんな無慈悲さに心を打たれる物語だと思います。
3編で構成されています。以下、あらすじと感想です。
π編
πの日常を描いた話です。何年もあおむけに寝て空を眺めていたり、クジラに食べられたり、気ままにいろんなことをするのですが、ペットを飼うことだけはママから禁止されていました。けれど、ある時犬を飼いはじめます…無慈悲に経過する時間が印象に残ります。
本編の最後では地球に不時着した妊婦が現れ、子供を出産した後に他界します。その子供「ミラ」をπとマッキが廃墟の遊園地で育てようとします…
ミラ編
ミラが成長していく話です。廃墟の遊園地の中でずっと生活してきたミラが、ある時、遊園地から出て外の世界を経験していきます…
毎日すごい勢いで老いていくみたい
永遠に子供のままでいるのとどっちが不幸なんだろう?
この一言がすごく印象に残ります。長く生きることと幸福の量は必ずしも比例しない…そんなことを感じる一言です。
マッキ編
不死の呪いを解くために必要な”あるもの”を探しに行きます。地球のあちこちを何年もかけて探し回り、そしてようやく見つけます…
マッキの最後の決断が見ものです。大切なもののために自分の命を使う…そんな決断に心が震えました。長く生きたからこそ分かるような大切な何かを感じられるような内容でした。