マイナー・マイナー

隠れた名作の発掘が生きがい。

『多動力』閉塞的な思考を打破する3つの考え方

チェックリストとして定期的に読み返したい。


そう思った本が堀江貴文著の『多動力』です。ベストセラーの本なので読んだ人も多いかと思います。多動力とは何かを端的に表しているのは次の序文。

「多動力」とは何か。
それは、いくつもの異なることを同時にこなす力のことを言う。


ひとつのことを専念してやるのではなく、次から次へと新しい仕事を同時並行で実施できる力、とでもいうんでしょうか。あらゆる産業が横につながる時代においては、それらの産業を超えて働ける力が求められている。それに必要な力と理解しました。


久しぶりにビジネス書を読んだんですけど、これはグサッときましたね。自分自身がハマっている(と思い込んでいる)閉塞的な状況を打破するような内容が書いてあります。以下、個人的に印象に残ったポイントを3点メモします。


多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)

「完璧主義者」ではなく「完了主義者」

「完璧主義者」は、何度もやり直し、一つの仕事にアリ地獄のようにハマってしまう。目指すべきは、完璧ではなく、完了だ。


これ、言葉としては分かるけれど、なかなか実行には移せないんですよね…例えばブログの記事を書くのが当てはまります。一つの記事を書くのにいつも1時間以上はかかっています。日本語として間違っていないかとか、ロジックは破綻していないかとか、何度も読み返して修正にする作業に時間がかかっています。


これ、典型的な「完璧主義者」のやり方ですよね。質にこだわって80点で良いところを100点目指すというやり方。このブログも80点の記事で完了とするようにやり方を変えていこうという気になりました。(試験的に、この記事は80点で公開しました)

メールやLINEのやり取りだけで上手く回るはず

インターネットの大きな功績は、非同期通信を手軽にしたことである。
非同期通信が手軽になったおかげで、人がどれだけ隙間時間を活用できるようになったか。


重要そうな会話は対面で話さないといけないという思い込み、ありますよね。メールの方が良いのにと思うことでも、上司やお客様とかは直接の会話を望んでいるのではと気を使い、結局電話やテレビ会議などの同期通信を行ったりします。むしろ文章で書いた方が要点とか整理されていて良いなぁと思うんですけどね…


今年に入ってから仕事でSlack(チームコミュニケーションツール)を使っているんですけど、これがもう非同期通信を実現するツールとして優秀すぎます。最初は対面で会話しなければ始められなかった作業も、Slackのおかげで最近は余分な会話が少なくなったように思います。


チームの意識を変えていくには「非同期通信ツールだけでも仕事は回る」という実績を積み重ねていくのが大切なんじゃないかなと思います。また、自分が後輩を持つようになったら、「自分に対しては非同期通信だけで良いよ」と諭そうと思いました。

イベントは定期的という固定観念を取り払う

会議は1回1時間、会食は1日1回など、固定観念で決めていないだろうか?
猛烈に濃密に生きるためには、次から次へと短時間でハシゴしよう。


そう、この固定観念!会議や食事などのイベントは決められたサイクルで予約してあるのでずらせないという固定観念


一気にやった方が良いという作業も中にはあります。例えばある資料のレビューがあって、少し修正して再チェックしてもらうだけなのに来週の定期的なレビュー時間で再チェックするというルール。記憶の新鮮なうちにチェックしてもらった方がロスは少ないのに…


たいていのイベントは人が勝手に決めたものなので調整できるはず。調子が乗ってきたら一気に駆け抜ける、そういう意識を持ちたいですね。


多動力女子といえば:
minor.hatenablog.com

【ヒナまつり】三嶋瞳の仕事ぶりをまとめました

(2020年10月4日更新)

ついにアニメ化が決定しましたね、ヒナまつり


笑いあり、涙あり、仕事ありの漫画でめちゃくちゃ面白いですよね。ヒナと新田の共同生活で笑い、アンズの天使さで涙し、そして三嶋瞳で仕事のつらさを実感する、そんなバランスのとれた漫画だと思います。


仕事がつらいと思った時は三嶋瞳の仕事ぶりを見るとなんか元気出るんですよねー。仕事に対する熱、くじけないメンタル、そんなものを感じる瞳さんの労働姿にやる気をもらえます。


そんな三嶋瞳の仕事ぶりをまとめました。随時更新予定、ネタバレ注意です。

  • 職歴一覧表
  • 3巻11話 中学生バーテンダーHITOMI!
  • 3巻13話 瞳ちゃんお疲れ様でした
  • 4巻19話 警部!今回のヤマは中々のようですよ
  • 5巻EXTRA9 癒しの空間へ リトルソングへようこそ
  • 6巻31話 川の流れのように
  • 6巻EXTRA12 必殺仕事人
  • 7巻EXTRA15 最近ちょっと視力落ちてきました
  • 8巻41話 三嶋瞳の短期留学
  • 9巻44話 三嶋瞳という女
  • 10巻51話 三嶋家
  • 11巻57話 情熱なくして仕事なし
  • 13巻64話 三嶋家の事情
  • 14巻74話 父と娘
  • 15巻77話 会長コース
  • 16巻83話 タブレット端末 三嶋瞳!
  • 17巻 第八十七話 AIは私
  • 17巻 第八十八話 平成の終わり
  • 18巻 第九十三話 三嶋瞳のお泊まり大作戦
  • 18巻 第九十五話 金と権力と地位に溺れた女
  • 19巻 第九十九話 それからの日常 前編
  • まとめ
続きを読む

『不死身ラヴァーズ』消滅系女子「長谷部りの」の一覧表

主人公と両想いになったら消える。


そんな性質を持つ彼女を描いた漫画が高木ユーナさんの『不死身ラヴァーズ』です。別冊少年マガジンで連載していた隠れた名作です。


主人公の「甲野じゅん(こうのじゅん)」は「長谷部りの(はせべりの)」のことが好きで、長谷部と付き合おうと近づきます。最初は嫌っていた長谷部は、だんだんと心を開くようになり、そして両想いになった瞬間消えます。その後、甲野のことを知らない違う長谷部が出現します。

  1. 甲野が長谷部を見つける
  2. 甲野が長谷部と付き合おうと頑張る
  3. 甲野と長谷部が両想いになる
  4. 長谷部が消える


この繰り返しが続く漫画です。消えても蘇る。ただし、記憶のない別人の長谷部として。


恋愛の一番美味しいところを何度も経験できる、そんなプラス思考の持ち主じゃないとこのループは耐えられなんじゃないかな。途中でやめれば良いのに…とも思いますが、恋愛は理屈じゃない、そんな熱さを感じる漫画です。



いろんな長谷部りのが登場します。どんな長谷部が登場したかを調べたら次のようになりました。

甲野じゅん 長谷部りの 初出
小学生 小学生 #1 長谷部!
中学生 中学生書道家 #1 長谷部!
高校生 軽音部3年部長 #1 長谷部!
高校生 家庭教師 #1 長谷部!
予備校生 予備校生 #1 長谷部!
大学生 忘れる系大学生 #2 いなくちゃだろうが!!
大学生 歩きメット中学生 #3 プレハブで同棲!?
大学生 お嬢様小学生 #5 魔法のことば
大学生 文系大学院生 #6 焼鳥大好きだし
大学生 クリーニング屋の人妻 #7 くまちゃんモミモミ
大学生 UMA大好き大学新入生(男) #9 全然ドキドキしない
大学生 やっぱあげない系女子 #番外編1
大学生? 格闘系女子 #番外編2


一番感動した長谷部りのは6人目です。眠ると起きていた1日分のことを忘れる、そんな前向性健忘のような症状を持った長谷部です。毎日長谷部に接触する甲野の根気強さ、そして毎日忘れながらも甲野に接触される彼女。変わらないと感じる日々の中でも着実に変わっていっている何かがある、そんな心情変化の描写が良いなぁと思うところです。


不死身ラヴァーズ』は3巻で第1部が完了します。それはもう衝撃的な終わり方で。第2部、早く出て欲しいなー。


高木ユーナさん関連:
minor.hatenablog.com

『銀河は彼女ほどに』滅亡系女子と一緒に過ごす非日常

胸が苦しくなると隕石を降らせる。


そんな性質を持つ彼女を描いた漫画が高木ユーナさんの『銀河は彼女ほどに』です。彼女の機嫌を損ねないようにしないと人類が滅亡してしまう物語です。2巻完結。


主人公の「人(じん)」は同じクラスの「大石阿智(おおいしあち)」とバスで乗り合わせます。人は阿智の襟からハート型の何かが出ているのを見つけたので、気になってそれを触ってみたら首を飛ばされます。そんな衝撃的な展開で物語は始まります。


首は何かすごい力が働いて元に戻るんですけど、そのあと阿智に話を聞いたら、どうやら阿智は地球を滅亡させに来た地球外生命体ということが分かります。地球を滅亡させないために人が頑張る…というのがおおまかなストーリーです。


恋愛と人類滅亡を天秤にかけたとき、どちらを選択するだろうか。人はどちらも選択できなくて妥協点をなんとか見つけ出そうと奔走し、そして感動の結末を迎えます。


銀河は彼女ほどに(1) (マンガボックスコミックス)

銀河は彼女ほどに(1) (マンガボックスコミックス)



大石阿智の(不思議な)言動を人がなんとか受け止めようとするコミュニケーションが面白いです。例えば、阿智が地球を滅亡させると人に伝えたときのこの受け止め方。

オレの好きな子が突然「地球はキレイだけど…滅亡します」とか言いはじめたので オレは小一の時の道徳の授業を思い出していた


高木ユーナさんのこのセンスがめっちゃ良いですよねー。うまく言葉にできないですが、、感じたことを素直に描写するセンス、とでもいうんでしょうか。高木ユーナイズムを一度体感するとファンになる人は多いんじゃないかな?


また、感情が変化していく様子も読みどころかと思います。コミュニケーションには言葉を受け止める責任みたいなものがあると思うんですけど、物語の最初の方では、人は最初その責任を受け流すような描写です。しかし、物語が進むにつれてその責任を受け止めようと変化していき、その過程の描き方がうまいなぁと感じるところです。


隕石が落ち、たくさんの死傷者が出て、人に恐怖が押し寄せる。逃げたいという感情にとらわれながらも、阿智への想いが強くなっていき、だんだんと阿智と正面から向き合うようになる…この展開が良いですよ!


恋愛と滅亡の板挟みになりながら、だんだんと責任と向き合った行動をするように変化する。『銀河は彼女ほどに』はそんな成長を楽しめる漫画でした。


滅亡系女子関連:
minor.hatenablog.com

『少女終末旅行』と『BLAME!』の共通点

荒廃した階層都市を2人の少女が旅をする…


つくみずさんの漫画『少女終末旅行』が熱いです!文明が崩壊した世界を少女達が旅をする。そして、旅中で人類が存在した形跡を見つけては感傷に浸る。そんな展開がたまらないです。


そして、『少女終末旅行』を読むと弐瓶勉さんの漫画『BLAME!』が頭をよぎるんですよね。巨大な階層都市の中で主人公がある遺伝子を探す、という漫画なのですが、どことなく共通点があるように感じます。


階層都市、終末観、廃墟…そんな普遍的な要素が『少女終末旅行』と『BLAME!』に共通してありそうです。2つの漫画に共通にあるような要素を調べてまとめました。(ネタバレ注意)

旅路は2人

f:id:yosinoo:20170910171531p:plain
左:『少女終末旅行』のチト&ユーリ
右:『BLAME!』の霧亥&シボ


主人公が1人だと何にも会話なく進むだろうし、3人だとわちゃわちゃして終末の孤独感が演出できない。そんなわけで、2人の旅路というのが漫画にほどよく映えるんじゃないかなと思います。

階層都市

f:id:yosinoo:20170910171550p:plain
上:『少女終末旅行』の 01話
下:『BLAME!』の LOG.1


都市の上に都市…そんな世界観が2つの漫画にあります。人類の発展によって階層都市が作られますが、人類の衰退、もしくは増築を止められないという理由によって、閑散とした光景となります。

固形食料

野菜や家畜を育てる環境が少なくなってくるのであれば、おのずと保存がきく携帯食料がたくさん作られそうです。『少女終末旅行』では主食として、『BLAME!』ではシャキサクとして登場します。

両方の漫画に魚が登場します。人間はかろうじて生きているけれど、魚という原始的な生物もかろうじて生きている、そんな描写に生命の力強さを感じます。

紙の本は寿命が長く記録と再生が容易なので、終末でも残っていそうですよね。『BLAME!』では本を読んで「大地って何だ」と呟きます。かつて記録した情報が遠い未来のどこかで再生される、そんな描写が素敵すぎます。


minor.hatenablog.com

建設機械

巨大な都市階層を人の手で作り上げるのは困難のため、都市の建物を建設・保守するための自律機械が登場しそうです。人の利便性のために作られた機械が人がいなくなっても稼働し続けるという世界観、良いですよね。

管理AI

技術が発展すれば人間の生活を支援・管理する人工知能(AI)も登場しそうです。おそらくは高度なAIとなるため、自我を持ったような振る舞いをするんじゃないかな。

まとめ

階層都市が登場する漫画『少女終末旅行』と『BLAME!』の共通点を調べました。共通点には普遍的な何かがあって、その何かに素敵さを感じます。『少女終末旅行』や『BLAME!』みたいな漫画、もっと出て欲しいなぁ…


少女終末旅行 1巻 (バンチコミックス)

少女終末旅行 1巻 (バンチコミックス)