panpanyaさんの作品集『商店街のあゆみ』を読みました。面白かったです。
時間の経過にともない町は変わっていきますが、その町の変化をテーマにしたような作品が所々に見受けられます。「蓋然」では、下見した土地の変化に対する思いを描いています。「商店街のあゆみ」では商店街の発展と衰退の様子を描いています。また、「たのしい不動産」「うるう町」など土地を焦点をあてた話もあります。
『商店街のあゆみ』は、町と土地に関するノスタルジーを求める人の心に刺さる漫画だと思いました。簡単に、各話のあらすじと感想を記述します。
- 家の家
- ここはどこでしょうの旅⑥
- 蓋然
- スーパーハウス
- ここはどこでしょうの旅⑦
- たのしい不動産
- うるう町
- 正しいおにぎりの開け方
- ここはどこでしょうの旅⑧
- 幕間
- 奇跡
- ここはどこでしょうの旅⑨
- ビルディング
- ここはどこでしょうの旅⑩
- 累々漠々
- 商店街のあゆみ
家の家
家同士がくっついて大きな家になった話です。ダンジョンと化した家はついつい探索してみたくなります。
ここはどこでしょうの旅⑥
車を出た場所で、ここがどこかを当てようとする話です。車がぎゅうぎゅうに敷き詰められた状況はなかなか面白いです。
※ ここはどこでしょうの旅①〜⑤は『模型の町』に収録されています。
蓋然
入試が終わった後、電車から見えた家を下見に行く話です。きっとそうなっているであろうという思いに馳せます。
スーパーハウス
勧誘のしつこい新聞屋さんに、家で対抗する話です。家の防犯設備がスーパーな物語でした。
ここはどこでしょうの旅⑦
雪から出た場所で、ここがどこかを当てようとする話です。一面が雪の世界は楽しそうです。
たのしい不動産
福引で宅地分譲地が当たる話です。自由にできる土地をもらっても、有効活用できる自信はないです。
うるう町
相続した土地を見に行ったが、土地が見当たらなかった話です。視点を変えて発見した、うるう町の真相がおもしろいです。
正しいおにぎりの開け方
コンビニに売っているおにぎりのラベルを破らずに開ける話です。こだわりがすごいです。
ここはどこでしょうの旅⑧
押入れから出た先で、ここがどこか当てようとする話です。部屋から出られないけれど、ランドマークをもとに惜しいとこまでいきます。
幕間
ボーリングのピンが倒れた後の処理が描かれています。こうなっていたのか。
奇跡
車同士が正面衝突したが、奇跡的に無事だった話です。奇跡の可能性もさまざまで、起こり得るものは起こり得るのだろう。
ここはどこでしょうの旅⑨
川に出たところで、ここがどこか当てようとする話です。川上から流れてくるものをヒントに場所を特定する過程がおもしろいです。
ビルディング
ビルの芽を手に入れて育てる話です。ビルは勝手に育つわけではなく、人の手入れが必要不可欠です。
ここはどこでしょうの旅⑩
里山に出たところで、ここがどこか当てようとする話です。猿蟹合戦の物語をヒントに前に進みます。
累々漠々
トラックからテトラポッドが落ちて道を塞いだ話です。交通の邪魔にならないように対処した結果、一件落着となったようななっていないような。
商店街のあゆみ
商店街が住んでいる家の近くに来た話です。商店街が歩んでいくという発想がすばらしすきます。栄枯盛衰を感じる作品でした。