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隠れた名作の発掘が生きがい。

大人のネバーランドは欲望まみれ『ウエンディ』


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こんなにも無秩序で色欲に満ちた世界がネバーランドだって、、素敵じゃないか!


ピーターパンは銃をぶっ放しまくり、ティンクはカミソリを振り回し、フック船長はただひたすらにマゾな世界。そんなネバーランドが登場する漫画が松本次郎さんの描く『ウエンディ』です。


夢あふれる「ピーター・パン」のストーリーが一転し、ダークで情欲的な内容となっています。精神的に不安定になった女子高生が、ふとしたきっかけでネバーランドに連れて行かれ、XXXされそうになります。


今を逃げ出した者だけが行ける快楽の世界、それがネバーランド。しかし、快楽だけがあるとは限らないわけで。。


ウエンディ

ウエンディ


ここは 誰でも来ることができる 人間の欲望が作り出した国さ


誰もが一度は「ずっと快楽に溺れて過ごしていきたい」と思ったことがあると思います。人は苦しいことより楽なことを選択したい性を持っているものです。


しかし、苦楽は相対的な感性のため、ずっと快楽が続くことはないと思います。楽なことばかりが続けば、少しの苦しいことがが大きな苦痛に感じたりもします。


理想郷をモデルにした物語はたくさんありますが、その結末はたいてい現実に帰着しているように思います。それは、楽なことがずっと続くことはなく、苦痛もときどき感じなければならないという警句を伝えたいからなのかもしれないです。


『ウエンディ』も快楽と苦痛は表裏一体であるという事実を突きつけているように感じました。楽なことが続いたのであれば、いずれ来る苦痛を覚悟すること。その苦痛は、きっとまた次の快楽に繋がるはず。そんなことを思いました。