発熱するマイナー魂

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異質な生物達と共存するという可能性『田中雄一作品集 まちあわせ』


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巨大な蟲や巨獣などといった異質な生物が、人間社会に入り込んだらどういった結末を迎えるだろうか。そんな"もしも"を楽しめる漫画が『田中雄一作品集 まちあわせ』です。


異質な生物と人間とが一緒に生きる世界は、油断すると淘汰される危険性も含んでいたりします。共存できているように見える関係は、実は微妙なバランスの上で成り立っているものだと思います。


そんな共存関係を保つためには、思想や生活様式を絶えず変化させて関係を調整していかなければならないと思います。本作は、異生物との関わり方の変化が面白い漫画でした。



本作は4つの短編から構成されています。

害虫駆除局

──十二脚虫──
節足動物門十二脚虫綱に分類される六対の脚を持つ虫

人間の生活圏を侵食する十二脚虫を駆除する話です。巨大な蟲が人間を苗床にして繁殖する描画にうわーってなります。増殖力の強さは圧倒的な暴力にもなりうる、そんな災害の恐ろしさを感じた話でした。


プリマーテス

人類と同程度まで進化したサル「異人類」

独自の進化を遂げて文明を築いたサルが人間を襲う話です。家族、あるいは同族というのは不可分な存在であって、その存在を侵食しない関係を築くことが共存に大切な要素なのだと感じました。


まちあわせ

こいつが生えてきてから4年後 ちょうど俺が生まれた年に この中で15人の赤ちゃんが見つかった

男の子が、「ゆりかごの樹」と呼ばれる巨樹の中で見つかった女の子と付き合う話です。人はこんなにも一途に愛し合うことができるのだろうか。愛は人間を救う、そんなキャッチフレーズが思い浮かんだ純愛SFです。


箱庭の巨獣

この巣は 「麒麟」と呼ばれる一体の巨獣に守られている

巨大な生物が外に溢れ、人間は巣の中で暮らすようになった世界。巣の中の人間を守るために、青年は巨獣になることを迫られます。大切なものを守るために立ち上がる勇姿が熱いです。世界観も素敵すぎる物語でした。