panpanyaさんの作品集『模型の町』を読みました。
視点を変えて物事を見てみると、何か楽しいものに出会えたりします。本作品集はそんな話が多くあるように思いました。「ここはどこでしょうの旅」シリーズでは、ここがどこかを当てるためにさまざまな視点で正解に近づこうとします。「模型の町」シリーズでは住んでいる町を俯瞰することでいろいろな気づきを得たりします。
視点を変えることによって何かを発見する…そんな楽しさを味わえる漫画でした。
- ここはどこでしょうの旅①
- 登校の達人
- 手遅れ
- ここはどこでしょうの旅②
- ブロック塀の境地
- ここはどこでしょうの旅③
- 情け無漁
- 解消
- ここはどこでしょうの旅④
- 夜ぼらけ
- 常軌
- 許可3
- ここはどこでしょうの旅⑤
- 模型の町へ
- 模型の町で
- 模型の町を
- 模型の町
※ 以降は各話の簡単なあらすじと感想です。
ここはどこでしょうの旅①
潮の流れに任せて来た島で、ここがどこかを当てようとします。①は古タイヤが多いところがヒントです。楽しそうです。
登校の達人
学校へ行くために、朝早くに家を出た話です。早すぎる朝にはいろいろな発見があり、その発見はお金には変えられない価値があったりします。早起きは三文の徳。
手遅れ
品物が売り切れていた話です。後悔する前に買うことがなかなかできないわけで。
ここはどこでしょうの旅②
パラシュートで降りた土地で、ここがどこかを当てようとします。地域ごとに異なるものを元に土地を絞っていくのは楽しいです。
ブロック塀の境地
透かしブロックが壊れたので、元通りにするために透かしブロックを手に入れようとする話です。透かしブロックの詳細を知ることができる素敵な内容です。
ここはどこでしょうの旅③
トラックから降りたところで、ここがどこかを当てようとします。文字がなくても、特徴的な物さえわかればなんとかなりそうです。
情け無漁
三枚おろしにされそうな魚が命乞いをする話です。情に訴えるのであれば、人間もそれに応えるわけで。
解消
学校の引っ越しをする話です。見慣れた景色でも、学校の備品が登場するだけで新鮮味を増します。
ここはどこでしょうの旅④
マンホールから出た先で、ここがどこかを当てようとします。迷ったのであれば視点を変えるのもひとつの手です。
夜ぼらけ
ベッドから出ずに停電になった夜を楽しむ話です。停電の夜という異世界さの描画が素敵です。
常軌
坂道にできたエスカレーターの話です。世の中は誰かの願いでできている。
許可3
お気軽にどうぞと書かれたスイッチを押す話です。ためらいなく押します。
※ ちなみに、「許可」は『二匹目の金魚』、許可2は『グヤバノホリデー』に収録されています。
ここはどこでしょうの旅⑤
ロケットのような乗り物から出た先で、ここがどこかを当てようとします。自分の足跡が目印にもなったりします。
模型の町へ
ジオラマで作った町内に感心する話です。見立ての面白さというのを知りました。
模型の町で
模型の町を見て自分の家を探す話です。見えない面というのは意外に多いです。
模型の町を
模型の町が県の優秀作品に選ばれる話です。客観的に見ることができる面白さが模型にはあります。
模型の町
模型の町の一部がなくなったので、その一部を新しく作る話です。記憶という曖昧さが模型の完成に影響を与えるという面白い内容です。