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隠れた名作の発掘が生きがい。

【熊野古道】馬越峠を歩いてきました

8/17(金)に馬越峠(まごせとうげ)を歩いてきました。三重県にある熊野古道伊勢路のひとつです。

コース

紀北町側から入り、尾鷲市へ出るルートを辿りました。途中で天狗倉山(てんぐらやま)も登りました。

11:30 馬越峠入口到着

「道の駅 海山」から歩くこと数分、馬越峠の入口に出ました。

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入口

ここからしばらく石畳の道が続きました。

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『第三惑星用心棒』迷走兵器を対処するアンドロイドの物語がすごい

争いの跡が残る大地に、ギターを担いだアンドロイドが降り立つ…


そんな絵を楽しめる漫画が野村亮馬さんの『第三惑星用心棒』です。SFファンを虜にする絵がここにありますよ!

西暦2882年
第三惑星 地球
無政府・無国籍状態


紛争が終わり、紛争に利用された兵器がいまだに残る世界が舞台です。ラフな格好のアンドロイドの用心棒「エルシー(LC610C8)」が各地に残された迷走兵器(ロストボーイ)を対処する…というのが大まかなあらすじです。


緩やかな時間の経過を感じるような絵が魅力的です。社会がひとつの終わりを迎えたような穏やかな世界…そこに降り立って前時代の兵器を対処するアンドロイドの姿にどこか心を打たれます。



第一巻は2話収録されています。以下はその感想です。

第1話「バーナクル」

多足歩行の無人戦車を対処する話です。長年海底にいたためか、無人戦車の表面にはたくさんのフジツボがついているのが特徴です。(バーナクルはフジツボを意味します)


無人戦車の危険を取り払う処理をたんたんと進めていくのですが、この描写が良いんですよ。無人戦車が長年保有していた機能の1つを慣れた手つきで無効化していく…そんなところにせつない何かを感じます。

第2話「ロブスター」

片腕の二足歩行ロボット「ロブスター」を対処する話です。軌道エレベーターのケーブルを切断しようと行動するロボットです。


軌道エレベーターの描写・設定に胸が熱くなります。作者のこだわりを感じる部分だと思います。そして、とある修復作業をたんたんと進めていく描写があるのですが、そのマイペース感がまた良いんですよねー。


野村亮馬さん関連
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500記事公開達成!印象に残っている6記事を振り返ります

ブログを始めて11年…この記事で公開記事の総数が500となりました!


良い機会なので、このあたりで僕のブログに対する考え方を書き記そうと思います。きっと誰の参考にもならないブログ論を語りながら、印象に残っている6記事を振り返ります。

  • 日記みたいなメモは書かない
  • 経験を書く
  • 賞味期限の短い記事は書かない
  • 考察を書く
  • タイトルをよく考える
  • 専門性×経験知が目指すところ
  • まとめ
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独特な管理 / 監視システムが素敵!おすすめのディストピア漫画9選

ディストピア作品が好きです。ディストピアとはユートピアの反対の世界を描いたような物語で、次のような特徴を持つものを言います。*1

  • 管理 / 監視システムが登場する
  • そのシステムによって公平に分配が行き渡っている(ように見える)
  • そのシステムによる絶望や恐怖が描かれている

この記事ではこれらの条件に一致する漫画を紹介します。


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*1:特徴の説明は、はてなキーワードの「ディストピア」を噛み砕きました

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余命24時間をどう生きる?『イキガミ』

余命24時間を告げられる…


そんな漫画が間瀬元朗さんの『イキガミ』です。全10巻です。


「国家繁栄維持法(通称、国繁法)」が適用された国が舞台です。国繁法とは「死」への恐怖感を植えつけることによって「生命の価値」を再認識させることが目的の法律です。

  • すべての国民は小学校入学時に「国繁予防接種」を受ける
  • その予防接種の注射器には0.1%の確率で特殊なナノカプセルが入っている
  • ナノカプセルは18-24歳のあらかじめ設定された時間に破裂し、命を奪う
  • ナノカプセルが破裂する24時間前に、本人に死亡予告書(通称イキガミ)が配達される


主にイキガミが届いた人に焦点を当てたエピソードが語られます。全部で20エピソードあります。



24時間後に死ぬと告げられた時、告げられた人はどんな行動をとるだろうか。きっと絶望して犯罪を犯そうとしたり、後世に希望を残そうしたりします。そんな様々な生き様を見ることができます。


その中から特に面白かったエピソードを3つ紹介します。

Episode 6 最愛の嘘

事故によって眼が見えなくなった妹。角膜を移植すれば眼が見える見込みがありますが、その角膜の提供者がなかなか現れずにいます。そんな状況の中、兄のもとにイキガミが届きます…


残された時間を最愛の人のために使える人はどれだけいるだろうか。そんな行動を取れる人に感動します。イキガミ屈指の名ストーリーです。

Episode 13 遺影

とある家族はアナログカメラで撮ったフィルムの現像を仕事とする写真館を経営しています。息子は大人になったら写真館を継ぐことを夢見ますが、デジタル現像機を導入した方が良いと反発します…


息子にイキガミが届き、残された時間で写真館の今後について考えます。家族と写真が本当に好きでなければ言えないような重い言葉が印象に残ります。

Episode 20 幻の国

“生粋の国繁崇拝者”になるためにとあるカリキュラムを受けた元イキガミ配達員は、かつての上司から元思想犯の監視を依頼されます。その元思想犯はかつて好意を寄せていた人物でした…


国繁法の本当の目的を知ることができる最終回です。壊れた社会の行く末に希望はあるのだろうか…抵抗する意思があるのであれば、希望を見出せるのかもしれないです。