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ちょっとチリにいってくる その1


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2009年10月5日のことだった.


いつもどおりに研究室に来た僕は,心が穏やかだった.なぜなら,それは先生が出張で一週間ほどいないためだった.今日から一週間はプレッシャを感じずに作業ができる.そんな雰囲気が研究室内に漂っていた.


僕の一日の研究活動は,まずメールのチェックから始まる.メーラを開いて見ると,先生からのCCメールが届いていた.それは先生からチリにあるA企業宛ての英文メールだった.僕の所属している研究室は,チリにあるA企業と共同研究を行っている.そのため,先生とA企業とは結構メールのやり取りをしているのだが,そのメールがCCで送られてくるのはめずらしかった.ただならぬ予感を感じながらメールを読むと,その内容は以下の通りであった.


要約:
『学生2人がA企業へ実験をやりに行きます.学生2人のうち1人はyosinoo君です』


僕「なん・・・だと・・・・・」


いつの間にか僕が知らないうちに僕がチリへ行って実験をするという予定が立てられていた.そのCCメールで,僕の穏やかな心がドッキドキに変わった.真偽を確かめたかったが,先生は出張でおらず,連絡先も分からない.そんなわけで途方にくれていたが,しばらくして先生からメールが来た.


要約:
『yosinoo君のパスポート番号をA企業の人にメールで送っておいてね.航空チケットを取るから』


僕「なん・・・だと・・・・・」


完全に僕が行くという前提で話が進んでいた.正直,意味が分からない.何がどうなっているのか分からない.いきなりチリに行って実験をするだなんて,どんだけハードルが高いんだ.英語も満足にしゃべれない僕にどうしろと言うんだ.


けれど,NOと言えない僕は,おとなしくA企業へとメールを送った.その時,パスポートなんて持っていなかったから,パスポート持ってませんという内容の英文メールを送った.そして,先生から「チリで行う実験の手順書を書いといてね」という内容のメールが届き,僕の心の平穏が消えた.


それから約1週間後,先生が帰ってきて,正式にチリに行って実験を行う話を聞かされた.


先生「yosinoo君,T君(M1),私の3人が2週間ほどチリに滞在して実験を行います」


僕(せ,先生が一緒に行くのなら安心できるぜ)


先生「しかし,私は最初の1週間は講義で行けないから,最初の1週間は2人でがんばってね」


僕(なん・・・だと・・・・・)


そんなこんなでチリに行くことになった僕(とT君)の物語が,今,始まる.


つづく.

B22 地球の歩き方 アルゼンチン/チリ 2008~2009

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