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『KEYMAN』正義と悪はなかなか綺麗に割り切れない


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アメリカンヒーローものコミックを日本風に表現したような…


そんな画風の漫画がわらいなくさんの『KEYMAN』です。13巻完結です。


舞台は人類種と獣人種が暮らす1900年代の世界。アメリカのロックヴィル市では超人的な力を持つキーマン(KEYMAN)と呼ばれるヒーローが町の平和を守っていた。


そのキーマンが何者かによって殺されます。キーマンの胸は「Dr.ネクロ」と読める傷が刻まれていた。街の警部であるTレックスタイプの獣人「アレックス・レックス」はその捜査を行います。


BARに寄ったアレックス・レックスは、そこでDr.ネクロと名乗る少女と出会います。そして、Dr.ネクロの口からキーマンの正体と、自らの正体が語られます…



物語の導入を見たとき、アメコミの『ウォッチメン』を思い出しました。ヒーローが何者かによって殺害され、その真相を追っていくという物語に既視感を覚えます。


正義とは何だろうか…そんな疑問をヒーロー系の作品を観るときはつい意識してしまいます。子供の頃は敵を倒すものが正義と純粋に思っていましたが、視点を変えると悪が正義のように感じる部分もあります。正義と悪は一概には区別できないものです。


『KEYMAN』も、悪いことをしているけれど、それを絶対的な悪とは言いきれないと感じる部分があります。とある家族の迷惑が世界を混乱させている原因だと思うんですけど、その迷惑を憎めない感情があって、それがやり切れなさを含んだ余韻を残します。この余韻がたまらないですよ。


筋肉隆々のキャラクター達が派手に暴れるアクションシーンも見所です。魔女が生み出したような異形の生物達との戦闘は、激しく、ダークで、そして格好良いです。迫力のある画力が魅力的な漫画でした。


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