2017年に読んで面白かった漫画(隠れた名作)を紹介します。対象は2017年にKindleストアで完結巻が出版された漫画です。
インコンニウスの城砦
科学技術によって魔術を制御し、軍事兵器を生み出している世界が舞台です。ある一人の少年が、移動城砦を開発している工房に潜り込み、その城塞の秘密を調査します。
探鉱民(ドワフ)がいるような神話の世界にスチームパンクの要素が溶け込んだ都市が魅力的でした。そんな都市で暗躍するスパイが裏切り裏切られる展開が面白かったです。
黒街
1巻の表紙は怖いので2巻を載せました主人公の高校生は、深夜のスーパーで働いている父と二人で「黒街」に住んでいます。ある日、主人公が父の職場に向かうとそこでブラックな光景を目撃します。
ギャグとホラーが重ね合わさった奇妙な世界が素敵でした。最初はギャグだと感じた話もよくよく考えると怖い…なんてことがあります。不思議な余韻の残る漫画でした。
春と盆暗
4作の短編+おまけの短編集です。月面に道路標識を投げる女性の話「月面と眼窩」、ケーキを原材料まで巻き戻したい話「甘党たちの荒野」などが収録されています。
妄想を理解してお互いの関係が親密になる…そんな過程を楽しめました。妄想の表現とストーリー構成が秀逸です。センスの塊を見ているような漫画でした。
中2の男子と第6感
不登校の中学二年生「中2」は、妄想(?)のメガネ女子「師匠」と学校に復帰するため行動します。ある日、外出した中2はあるお姉さんと出会います。その妹が師匠とそっくりであり、その真相を確かめようとします。
中学二年生が映画や漫画で得たような知識をもとに、妄想の現象を解明しようとする展開がすごく面白かったです。欲望と自己嫌悪の繰り返しに親近感が湧きました。
KEYMAN
人類種と獣人種が暮らす1900年代のアメリカが舞台です。ある日、キーマン(KEYMAN)と呼ばれる街のヒーローが何者かによって殺されます。その真相を獣人の刑事が追います。
筋肉隆々のキャラクターと、魔女が生み出したような異形の生物達との戦闘は、激しく、ダークで、そして格好良かったです。正義と悪の表裏一体さを感じる物語でした。
ひとり暮らしのOLを描きました
ひとり暮らしのOLの私生活を描いた癒し系漫画です。最初の話は「こんなにいいお天気なのに会社へ行くためのエネルギーを蓄えているひとり暮らしのOL」です。
仕事のことを考えては涙が出てくる…仕事のためにエネルギーを消費するだけの生活が胸にグサっときました。女性だけでなく男性にも当てはまる話も多いと思います。
アイアンバディ
ロボットエンジニアが主人公の漫画です。開発仲間達が、さまざまな課題を乗り越えながら、二足歩行ロボット「ロビンソン」を強くしていきます。
二足歩行ロボットがなぜ重要なのか…その気づきが得られました。二足歩行の需要とロマンを知ることができた漫画でした。理工系な人にとっては面白いと思います。
BOX~箱の中に何かいる~
主人公の元に送り主不明の「箱根細工(からくり箱)」が届きます。その箱根細工を解くと街に異変が起きます。気になるままに調べていくと、入り口のない立方体の建物にたどり着きます。
漫画家でしか描けないような謎がとても魅力的でした。だまし絵をパズルにアレンジする創造力にすごさを感じます。立方体という魅力を感じることのできる物語でした。
我らコンタクティ
映画のフィルムと映写機を一緒にロケットで飛ばして宇宙で上映する…そんな目的を持った幼馴染の男女2人が主人公です。工場でロケットを開発し、そのロケットを発射させようと奔走します。
ロケットに搭載する機械がすごく素敵でした。宇宙で映画を上映するための電力を半永久的に供給したい…そんな課題を解決するアイデアが驚愕でした。
『我らコンタクティ』ロケットにロマンをいっぱい載せています - マイナー・マイナー
まとめ
アニメ化やドラマ化されても良いレベルの隠れた名作漫画を紹介しました。特に面白かったのは『我らコンタクティ』です。このマンガがすごい!2019にランクインする予感がしますね。