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『AΩ 超空想科学怪奇譚』終わりと始まりが否応なしに訪れたら


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小林泰三さんの小説『AΩ 超空想科学怪奇譚』はSFとクトゥルフ神話が融合したような内容で、両方が好きな人にとってはたまらなく面白いです。日本SF大賞の候補にもなった小説で、隠れた名作でもあります。


学生の頃に読んだ小説なのですが、この小説を読んでそれまで持っていた地球外知的生命体のイメージがガラリと変わった思い出があります。宇宙人は必ずしも人間のような実体を持っているとは限らず、住んでいる次元が異なる場合もあるんですよね。


真空と磁場とプラズマからなる世界の生命体「ガ」は、影の世界から現れた住人を破壊しようと追跡します。影の住人が向かった先は人間の住む地球。「ガ」は大気圏に突入しますが、飛行中の飛行機と衝突します。そして、たまたま飛行機に乗り合わせていた諸星隼人の身体を借りる関係となる…というのが大まかな導入部です。


神様が世界に現れたときに何が起こるか、この小説はそんな疑問に対してひとつの回答を提示するような内容でした。神様にはいろんな解釈があると思いますが、多くの人は現在の人間から見て理解の及ばないような現象を起こす者を連想すると思います。そんな神様が顕現したのであれば、世界は否応なしに変化します。


「現に存在し、過去に存在し、そして未来に来るもの、全能者」。神は言った。
「わたしは阿(アルファ)であり、吽(オメガ)である」
新約聖書ヨハネによる黙示録第一章八節)


技術的特異点を超えるような変化をもたらす者。それは見る人によって創世者に見えたり終焉者に見えたりします。ΑΩはその両方の性質を持った存在だと思いました。


そんな存在が地球上でいろんな影響を及ぼすのですが、その影響を受けた人々の振る舞いがおもしろくて見所だと思いました。急激な変化にすぐ適応できるほど人間はできていないです。変化に困惑する人がほとんどだと思いますが、信念を持っている人ほど変化にブレないんですよね。


終末をどう生きたらよいか、『AΩ 超空想科学怪奇譚』にそのヒントがあるような気がします。でも実際起きたら、まぁ逃げまくるような生き方をするよね!


終末といえば
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