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仕様書を知っているほど高評価が得られるという悪循環


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上長から展開された話で、とても心に響いた話がありました。その話に少し想像を加えて紹介します。


大規模なシステムにおいて、仕様書を知っている一部の人が、仕様書を知らない他の多数の人に作業支持をしているプロジェクトがありました。プロジェクトは仕様書を知っている一部の人の存在なしでは回らなくなっており、他の多数の人は指示がないと動けない状態になっていました。


このような状態に陥った要因のひとつに、「仕様書を知る人」を育てられなかったことがあります。ではなぜ「仕様書を知る人」を育てられなかったかというと、その原因は「仕様書を知っている人は高評価になりやすい」という環境にあるようです。


流れとしては次のような感じでしょうか。
0. 仕様書を知っているAさんがいたとします。
1. Aさんはみんなから仕様書についての相談を受けるようになります。
2. 上長は、Aさんはみんなから頼られる人であると思い、Aさんの評価が高くなります。
3. そして仕事が来たとき、評価の高いAさんに仕様書の追記や修正の権限が与えられます。
4. Aさんは仕様書にますます詳しくなります。
5. 一方、他の人は仕様書の一部を知っているだけで良いような仕事が回ってきます。


このようなサイクルが繰り返されると、上述のような状態が発生しがちになります。ですので、この問題を回避するためには、「仕様書を知る人が高評価になりやすい」という環境をなくし、「仕様書を知る人を増やせる人が高評価」という環境を作ることが重要であると上長は申されておりました。


この話が大きく心に響きました。というのも、今までできる人というのは、システムや技術に詳しく、重要な仕事が次々に任される人であるとイメージしていたためです。しかし、本当にできる人というのは、チームがフル活動できるような環境を作れる人ではないのかと感じるようになりました。


チームプレイを意識したとき、生産性を高めるためにはチームで共有される知識を多くすることが必要である。そんな単純で確からしい法則を強く意識しなければならないと感じた話でした。