『完全・犯罪』は小林泰三氏の書くミステリー小説です。5編の短編は、どれもホラーな内容を含んでいて、奇妙な後味を残していきました。キャッチコピーは「邪なたくらみに満ちた五つの物語」。
- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2012/07/27
- メディア: 文庫
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完全・犯罪
タイムマシンで完全なアリバイのある5年前に遡って、博士を殺害しようとする話です。タイムパラドクスな話が面白かったです。とてもマッドサイエンティストなオチでした。
ロイス殺し
酒場の二階でロイスが死んだ真相を語る話です。悪意に苛まれて堕ちていく過程が、とても後味が良くなくて印象に残りました。クトゥルフな粘着質を持ったストーリーです。
双生児
一卵性双生児として生まれた姉妹が名前を共有している話です。名前と身体は一致しないけれど自己は自覚できるという不確定さに奇妙な不思議さを感じた作品です。
隠れ鬼
隠れ鬼という遊びの話。最初の追いかけっこの描写には妙な緊張感がありました。この作品から得られる教訓は、ルールをあいまいなままにしておくとホラーな結末を迎えるということです。
ドッキリチューブ
ドッキリ番組を仕掛けるスタッフがドッキリを仕掛ける話です。怖いくらいドッキリをやりすぎます。『世にも奇妙な物語21世紀21年目の特別編』の一作品だそうです。