ある時、突然に天地が逆転したら…
そんな状況を描いた漫画が菅原敬太さんの『隣町のカタストロフ』です。空に落ちそうな町で展開されるドラマが面白いです。全3巻です。
5月28日午前10時12分…天と地が逆になる現象「地変天異」が起きます。街に住む人々はその現象を前にしてさまざまな本性があらわになってきます。
人間が隠し持っている本性を見学できるような内容がおもしろかったです。隠し事のためには手段をいとわない…そんな展開が衝撃的でした。そして、たいてい報われないです。
漫画は1〜3話くらいで完結するショートストーリーが連なった構成となっています。以下、面白かった3つのあらすじと感想です。
堕ちたエース (1, 2話)
野球部のピッチャーであった史弥(ふみや)はとある出来事が原因でひきこもりになります。そんな中「地変天異」が起きます。そして、今にも空に落ちそうな隣の家には幼馴染が取り残されることになります…
幼馴染のためにがんばろうとする姿に、これまでのことが報われても良いだろうと思うのですが、まぁ報われないこともあったりします。つらい現実を突きつけられる話でした。
心配性の母 (5, 6話)
柚月(ゆずき)は付き合っている男性を母に認めてもらおうとしますが、母は嫌がります。そんな状況の中「地変天異」が起きます。柚月は彼のことが心配になり、彼の職場へ向かおうとします…
親子間でもなかなか言葉で伝えられないことはあります。言葉では伝えられない…けれど母と娘の間にある強い愛情を最後で感じられる話でした。
正義のヒーロー (12, 13話)
とあるヤクザの下っ端(?)はある女性が落とした財布を拾います。落とし主のアパートを訪れ、財布の中に入っていた鍵で部屋に入ると、そこで幼い子供が一人で留守番をしているのを見つけます。そして「地変天異」が起きます…
幼い子供との交流がなされていい感じに絆が深まった時にうわーってなります。けれども誰かの心に残ることができたのであれば、それは報われる話だと思うわけで。。