マイナー・マイナー

隠れた名作の発掘が生きがい。

『グッデイ』最期の1日の理想系がここにある


スポンサードリンク

人生の最後の日が分かったのであれば…


そんなもしもを描いた漫画が須藤真澄さんの『グッデイ』です。舞台は「玉迎え」の存在する日本です。

玉迎えとは、体のご寿命で亡くなる方の体が、その前日、球体に見える状態を言います。


この設定がすごいです。しんみりとしそうな最後の1日を穏やかな雰囲気にする…そんな絵が特徴的であり、魅力的な部分です。


「グッデイ」と「ワンデイ」の2章の構成になっています。多くの話は1話ごとに完結する内容ですが、「グッデイ」の第1話と「ワンデイ」は関連した内容となっています。その2つの話をつなげて読んだときの涙腺決壊力がすごいですよ。


グッデイ (ビームコミックス)

グッデイ (ビームコミックス)


good day
よい日、こんにちは、さようなら

one day
ある日


人生最後の日は「よい日」であって欲しいと願う人は多いと思います。「よい日」とは何だろうかと考えたとき、それは何でもないような「ある日」なのかもしれないです。


この漫画で描かれる最後の1日は、大きな贅沢をするというよりも、今の日常を再確認するような話が多いと感じました。自分と親族との生活を振り返り、自分が恵まれていたことに気づくというような話です。


自分がいなくなったとしても、親族が恵まれた日を今後も過ごしていくことができる…そんな実感が得られたのであれば、それが人生の最後にふさわしい「よい日」なのではないかと思います。『グッデイ』はそんな理想の人生の最終日を描いた漫画のように思います。