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『動物たち』うまく伝えられない恩返しが可愛い


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動物たちの予想外な行動に振り回される…そんな漫画がpanpanyaさんの『動物たち』です。もうね、表現力が素敵すぎますよ!


『動物たち』は17編からなる短編集です。大きく引っ越しの話と動物の話があります。


引っ越しの話では、引っ越し日の前後に感じる喪失感と期待感が折合わさったような、そんな気分を楽しめます。引っ越しを経験したことのある人にとっては既視感を覚える内容だと思います。


そして動物の話には「猯(まみ)」と「貉(むじな)」があり、同じような動物で違った可愛さを感じる内容になっています。

猯(まみ)及び貉(むじな)は、タヌキまたはニホンアナグマのことである。その呼称の使い分けは地方により様々で、中には「狸」を「まみ」と読む事例もあり、混同を極める。行政に於いては便宜上彼らを総称し「動物」と呼ぶことが通例となっている。貴方の住む地域では彼らを何と呼んでいるでしょうか。


表紙にある説明文ですが、このセンスがたまらなく良いですよ!



以下、各話のあらすじと感想です。

残念だったこと

突然目の前に落ちたものにびっくりする話です。うまくつっこめないというのはよくあることで…

ついてない日の過ごし方

ついてない日を注意深く過ごす話です。ついてない日=悪い日と思いがちですが、必ずしも悪いとは限らない…そんな例です。

朝ぼらけ

朝に鳴く鶏の話です。都会で鶏を飼うのは厳しいものがあるんじゃないかなー。

引っ越し先さがし

不動産屋とともに引っ越し先を探す話です。訳あり物件と訳なし物件…選ぶとしたらどちらが良いですかね。

引っ越しの日

引っ越しの準備を終えてお昼ご飯を食べに行く話です。その町で過ごす最後の日って、何かこうグッとくるものを感じるわけで。

引っ越した夜

引っ越した日の夜の話です。布団の中で新しい環境を全身で感じるのって良いですよね。

引っ越し先のルール

引っ越し先のゴミ捨て場から生きたミドリガメを見つける話です。そのミドリガメのために右往左往しているうちに、この町でもなんとかやっていけそうな気になる…そんな展開が良いですよ。

引っ越しの可能性

引っ越し先に選ばなかった物件に誰かが入居しているのを見かける話です。なんともいえないものを感じますよね。

一〇〇年後の日常「家」

100年後から今の家を見る話です。100年程度では、物は変わるけれど、人の感性はそんなに変わらないものなのかもしれない。

「楽園」ご紹介漫画

楽園を紹介する漫画です。そうそうたる名前に買って見たい欲が高まります。

年越しと本

年越しする前に本を読みきる話です。区切りがあると、そのために頑張れることもある。

怪我した動物「猯(まみ)」を手当てしたら気に入られた話です。懐かれるのは良いけれど、限度というものがありますよね。

怪我した動物「狢(むじな)」を手当てしたら気に入られた話です。何に恩を感じるかは人それぞれですが、恩返しを受けるのは悪い気はしないです。

示談の手引き

交通事故の原因となった野生動物に謝罪をさせようとがんばる話です。やればできる…そんな内容です。

手段

コンビニでから揚げ串を買い、ぶらぶら散歩する話です。串の汎用性の高さを感じます。

正直者の傘

電車の中にビニール傘を忘れる話です。正直者でいれば得をする…そんな一例です。

グラスホッパー・アドベンチャー

川で溺れているバッタを笹舟で助ける話です。冒険したい欲は身体の大きさに関わらずどんな動物にもあるんだろうなー。


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