日常の延長にあるような不思議な世界…
そんな世界を楽しめる漫画がpanpanyaさんの『足摺り水族館』です。帯のキャッチコピーは「見捨てられたもの / 忘れられたもの / 新しすぎたもの」…もうね、表現力が素敵すぎますよ!
『足摺り水族館』は14編の短編集です。そして「このマンガがすごい!2014」のオトコ編14位にランクインされている漫画でもあります。漫画好きにはたまらない漫画ではないかと思います。
2018年5月時点ではまだ電子書籍化はされていないようです。もしかして電子書籍化されないのかも…と危惧して紙媒体で買いました。入手困難になってきつつありそうです。
以下は短編のあらすじと感想です。「足摺り水族館」というタイトルの作品が3つありますが、それぞれ違う内容で、物語が繋がっているような構成となっています。
足摺り水族館
親戚から送られてきた本の中に水族館のチケットを見つけたので、その水族館に行こうとする話です。水族館だけでなく、道中もきっと楽しい。
完全商店街
母におつかいを頼まれて読めない何かを探しに行く話です。その何かを聞き込みしていくうちに不思議な世界へとはまっていく…その過程が良いですよ。
すごろく
作ったすごろくを博士に説明する話です。やってみたいですよ。
新しい世界
新しいものを展示する博物館へ行く話です。新しいものは得てして奇妙に見えたりするのですが、いずれは見慣れていくんですよね…不思議なオブジェ達が魅力的です。
イノセントワールド
修学旅行でみんなとはぐれてしまったため、集合場所の京都タワーを目指す話です。途中でまた別のタワーを見つけるのですが、その存在がせつないです。
二〇一二年四月一七日の夢
いろいろなものが見られるお得な場所に訪れる話です。せっかくの夢だったらお得でありたいですよね。
足摺り水族館
高知県にある「足摺海底館」を訪れる話です。調べてみたら実在する建物でした。突如として現れた感の強いオブジェに興奮です。
冥途
フランスの町で飛行船を追いかけていくと奇妙な町へと迷い込む…という話です。小説の一節を読んでいるような描写が魅力的です。普通理論が素敵。
スプートニク
校長先生の話の途中、裏山に何かが墜落したので見に行く話です。どんなものにも使いようがあります。
無題
不思議な生物のいる荒廃した街を彷徨うような話です。夢の中を散歩するようなファンタジー。
足摺り水族館
水族館の中を見て回ります。魚についてを語ります。
君の魚
水族館に展示するための希少な魚を求め、川の上流へと向かう話です。魚愛に満ちた冒険譚ですね。川で魚釣りをしたくなります。
エンディングテーマ
進化論!