大人になって気にならなくなったこと…それを気にする漫画がpanpanyaさんの『二匹目の金魚』です。もうね、表現力が素敵すぎますよ!
『二匹目の金魚』は19編からなる短編集です。日常にある当たり前だと思っていたものに疑問を投げかけて掘り下げる…そんな話が満載でした。
例えば「メロディ」では夕方に流れるメロディの正体を追いかける話です。「制御についての考察」では電柱についている箱が気になる話です。
なぜそれがあるのか…最初は疑問に思うんですが、時間の経過とともに気にならなくなっていくんですよね。初心に返って疑問に立ち向かってみれば、そこに新しい発見があるかもしれないです。
以下、各話のあらすじと感想です。
- メロディ
- 制御についての考察
- かくれんぼの心得
- 冥利
- 季節の過ごし方
- 通学路のたしなみ
- 引き金
- 小物入れの世界
- 担いだ縁起
- 今年を振り返って
- 知恵
- 開発
- 遥かな手紙
- 許可
- 春の導き
- 真偽
- シンプルアニマル
- 二匹目の金魚
- 海の閉じ方
メロディ
夕方の街に流れるメロディの正体を調査する話です。このメロディって、大人になっても頭から離れない魔力みたいなものがあります。
制御についての考察
信号機の柱に付いている四角い箱が気になる話です。こういった疑問って、大人になっていくと気にならなくなっていくんですよね…
かくれんぼの心得
かくれんぼ講座に行く話です。かくれんぼについての深い理論が得られる内容です。得られた知識を実践して経験するのって良いですよね。
冥利
凍った動物に対処する話です。動物が何かを学んだ姿を見ると、どこか癒されます。
季節の過ごし方
暑苦しい夏を音で対抗しようと奮闘する話です。風鈴には敵わないけれど、試行錯誤して見ることに価値があると思うわけで…
通学路のたしなみ
通学路をたしなむ話です。長年の通学路の往復によって最適化された手順に惚れ惚れします。
引き金
暑いのに家の外から石焼き芋の曲が聞こえてくる話です。不相応なことに警戒しすぎて意図せぬ罠にはまったりします。
小物入れの世界
ゴチャゴチャになっている小物入れの中身を整理する話です。使うもの、使わないものの整理がまた難しいんですよねー。
担いだ縁起
お守りを買ってすぐ側溝に落としてしまう話です。お守りの品質を現代的な技術で保証するのは良いような悪いような…
今年を振り返って
大掃除をしているうちに日めくりカレンダーを見つける話です。過去を明確に記憶しておくことはなかなかできないわけで。
知恵
大きなトロフィーを持って帰る途中にリヤカーを譲り受ける話です。人が作った規則をすり抜けるのは人の考えた知恵…そんな内容です。
開発
土地を開発する話です。街が発展していく様子を見るのは楽しいですが、発展にともなって取り壊しになるものもまぁ出てきますよね…
遥かな手紙
手紙風船がカラスにつつかれるのを助けようとする話です。良かれと思ってやったことが後々になって後悔の対象になることもある。
許可
「ご自由にお取り下さい」の箱に鳥が詰まっている話です。許可されているなら取ってみたくなるわけで。
春の導き
夜歩いていたらなにかの行列に遭遇する話です。春は導かれるままに行動したくなる季節です。
真偽
電柱の上にあるチューリップのようなものが本物かどうかを推測する話です。未知のものを推測する過程が楽しい。
シンプルアニマル
手間のかからない新しい動物「シンプルアニマル」を飼う話です。ペットは多少手間がかかった方が良いのかもしれないです。
二匹目の金魚
金魚が逃げたので、その代わりとなる金魚を探しに行く話です。自分の持っている責任の器が少し大きくなるような内容です。
海の閉じ方
海開きの反対「海閉じ」をする話です。たしかに、始まりがあれば終わりもありますよね!
panpanyaさん関連:
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